二見いすず: 今月は、「高脂血症」についてお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやましろう)ドクターにお話を伺います。
瀬戸山さん、今週もよろしくお願い致します。

瀬戸山史郎Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 先週は、「高脂血症」が、血液中のコレステロールや中性脂肪が増える状態のことを言い、糖尿病や高血圧と合併すると、動脈硬化などにつながる、怖い症状である、と伺いました。

瀬戸山史郎Dr: その通りです。
二見いすず: また、中高年の約半数が「高脂血症」で、その数も年々増加しているそうですね。
瀬戸山史郎Dr: そうなんです。
多くの方に注意していただきたい病気です。
二見いすず: では、「高脂血症」の原因について、お願いいたします。
瀬戸山史郎Dr: はい。
「高脂血症」は、大きく分けて2種類があり、遺伝的な要因による「原発性高脂血症」と、食べすぎ、飲みすぎ、運動不足、肥満が原因となる「二次性高脂血症」があります。
二見いすず: なるほど。
遺伝的な要因は、家族暦などを確認し、十分に注意をしていただきたいと思います。
一方で、「二次性高脂血症」については、食べすぎ、飲みすぎ、運動不足や肥満が原因ということで、日ごろの生活習慣が関係してくるのですね。
瀬戸山史郎Dr: その通りです。
食べすぎ、飲みすぎ、運動不足や肥満が原因の「高脂血症」は、生活習慣病の一つと考えられると思います。
二見いすず: なるほど。
いわゆるメタボリック症候群も要注意、ということでしょうか。
瀬戸山史郎Dr: はい。
メタボリック症候群の方はもちろん注意が必要です。
本県の肥満は男性約3割、女性約2割です。
そこで一つ注意していただきたいのが、肥満でない人でも高脂血症は相当数いるということです。
健康診断などで、メタボリック症候群の基準に引っかからなかった方の中にも、隠れ肥満というか、内臓脂肪型肥満の方がおられ、そういった方は、「高脂血症」の可能性が十分にあるのです。

二見いすず: そうなんですか。
肥満でなければ大丈夫なのかと思っていました。
瀬戸山史郎Dr: そういう風に思っていらっしゃる方も多いです。
もちろん、メタボリック症候群の検査で、ウエストサイズやBMIなどを測れば、肥満はある程度はチェックできます。
しかし、一見やせ型でも、内臓脂肪が多い人がいるのも事実です。
二見いすず: それは驚きました。
瀬戸山史郎Dr: やせているからといって「自分は大丈夫」と思わないで、しっかりと血液検査などで調べていただきたいと思います。
また、現在、頚動脈エコーという検査もあります。
この検査では、頸動脈の厚さから動脈硬化の程度の判定や血管壁が限局性に盛り上がって出来た隆起物(プラーク)を調べることができます。
プラークが血管壁から剥がれると脳梗塞の危険性もありますから、気になる方は、ぜひ検査をしていただくことをおすすめしたいと思います。
二見いすず: よくわかりました。
お話は、鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやましろう)ドクターでした。
ありがとうございました。
瀬戸山史郎Dr: ありがとうございました。