2011.5.28 第421回放送分『高脂血症』 ゲスト:瀬戸山史郎ドクター


二見いすず: 高脂血症」についてお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやましろう)ドクターにお話を伺います。
瀬戸山さん、最終日の今日もよろしくお願い致します。

瀬戸山史郎Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 先週は、「高脂血症」の予防について伺いました。
では、本日は、「高脂血症」になってしまった場合の治療法について、お願いします。

瀬戸山史郎Dr: はい。
「高脂血症」の治療は、まずは「食事療法」を行います。
総カロリーを抑え、飽和脂肪酸、つまり動物性脂肪を減らします。
その代わり、オリーブオイル、アボカドなどの植物性脂肪をとるようにしたり、タンパク質は、脂身のない肉などで摂取したりします。
また、食物繊維を多く含む食品などをとることで治療を行います。

二見いすず: よくわかりました。
食事療法に加えて、やはり運動も大切ですよね。

瀬戸山史郎Dr: もちろん、「運動療法」も大切です。
特に、内臓脂肪型肥満があって中性脂肪が高い方は、食事療法だけでは、内臓脂肪は減らずにかえって体の筋肉が減ってしまうという、弊害が出る恐れもあるので、食事療法と併用でバランスよく減量を行い、治療を行います。

二見いすず: なるほど。
お薬での治療もありますか。

瀬戸山史郎Dr: そうですね。
基本は「食事療法」「運動療法」で、どうしても下がらないときは「薬物療法」も行います。

二見いすず: よく分かりました。
では、「高脂血症」について、まとめますと、まず、「高脂血症」は、動脈硬化などにつながり、最悪の場合は、命に関わる病気につながる場合もあるということを認識していただきたい、ということでしたね。
瀬戸山史郎Dr: その通りです。
二見いすず: そして、中高年になると、現代人の約半数の方が「高脂血症」であるということ。
そして、メタボリック症候群の方だけではなく、一見やせた体型の方でも、かくれ肥満、つまり内臓脂肪型肥満の場合があり、「高脂血症」になっている可能性がある、ことを認識してほしい、とのことでした。
瀬戸山史郎Dr: その通りです。
ぜひ、「高脂血症」を他人事と思わず、中高年の方はご自分の生活習慣を振り返っていただき、食べすぎ、飲みすぎ、運動不足ではないか、チェックしていただきたいと思います。
そして、健康診断で血液検査などを受けて、ご自分の中性脂肪やコレステロールの値をきちんと把握しておいていただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
また、「高脂血症」の予防には、まずは肥満を解消すること、お菓子やジュースなどを制限すること、果物のとりすぎに注意すること、動物性脂肪の制限すること。
また、悪玉である、LDLコレステロールの酸化を防ぐために、βカロチンを含む緑黄色野菜、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを含んだ食品をとることがいいということでした。
瀬戸山史郎Dr: その通りです。
二見いすず: 命にかかわる病気にもつながりかねない「高脂血症」。
ぜひ多くの方に認識していただき、4週にわたり、「高脂血症」についてお話を伺いました。
お話は、鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやましろう)ドクターでした。
ありがとうございました。
瀬戸山史郎Dr: ありがとうございました。