二見いすず: | 6月に入りました。今月は、この時期には特に注意したい「食中毒」について、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターにお話を伺います。 南さん、よろしくお願い致します。 |
南 武嗣Dr: | よろしくお願い致します。 |
二見いすず: | 食中毒といえば、やはり先日発生した生肉による食中毒事件が気になりますね。 |
南 武嗣Dr: | そうですね。 大変残念なことですが、命を落とされた方も出てしまった深刻な食中毒となりました。 |
二見いすず: | そうですね。 このような事態が再発するのをできるだけ避けるためにも、食中毒について改めて知っておきたいと思います。 では、南さん、まず、食中毒とはどのようなことを言うのでしょうか。 |
南 武嗣Dr: | はい。 食中毒は、食べ物や飲み物が原因で健康に障害が出ることを言います。 原因は、大きく分けて、ウイルスによるものと、細菌によるものがあります。 ウイルスは、秋から冬にかけて食中毒が起こる、ノロウイルスなどが代表的なものです。 |
二見いすず: | なるほど。 では、細菌性のものは、どのようなものがありますでしょうか。 |
南 武嗣Dr: | はい。 細菌性の食中毒についてですが、原因となる細菌には、大きく分けて、毒素型と感染型という2つのタイプがあります。 まず、毒素型といわれるものの代表的な菌がブドウ球菌です。 |
二見いすず: | ブドウ球菌は毒素型なのですね。 |
南 武嗣Dr: | そうです。 毒素型の細菌が原因の食中毒は、感染して数時間で発症するのが特徴です。 |
二見いすず: | はい。 では、感染型の代表的なものは、どのようなものがありますか。 |
南 武嗣Dr: | はい。 よく耳にされると思われます「O-157」も感染型の細菌の一つで、腸管出血性大腸菌と言われています。 |
二見いすず: | そうなんですね。 「O-157」は、以前、小学校の給食などで集団食中毒が起こり、大きなニュースとなりましたね。 |
南 武嗣Dr: | そうですね。 そして、今回起こった生肉による食中毒の原因となったのが「O-111」、「O-157」という細菌です。 初めて耳にした方もいらっしゃるかもしれませんが、「O-111」も感染型の細菌の一つで、「O-157」と同じく重い中毒症状を起こす腸管出血性大腸菌です。 |
二見いすず: | そうなんですね。 |
南 武嗣Dr: | はい。 「O-157」、「O-111」をはじめ、サルモネラ菌やカンピロバクターなども感染型の細菌です。 これらの感染型の細菌が原因の食中毒は、毒素型の細菌が原因の食中毒とは違って、感染してから数日経ってから発症することが特徴です。 |
二見いすず: | なるほど。 食中毒の原因には、ウイルス性と細菌性のものがあり、細菌性のものには、毒素型と感染型という種類があること。 そして、毒素型は感染してすぐに発症し、感染型は数日経ってから発症することが分かりました。 来週も引き続き食中毒についてお伺いしたいと思います。 お話は、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。 ありがとうございました。 |
南 武嗣Dr: | ありがとうございました。 |