二見いすず: | 今月のドクタートークは、「食中毒」について、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターにお話を伺っています。 南さん、今週もよろしくお願い致します。 |
南 武嗣Dr: | よろしくお願い致します。 |
二見いすず: | 今週は、食中毒の予防についてお伺いしたいと思います。 食中毒を予防するために、私たちは、日頃どういったことに気をつけたらいいのでしょうか。 |
南 武嗣Dr: | はい。 食中毒の危険性のあるものは口にしないということが、予防の大前提です。 今回、生肉による食中毒で、「O-111」、「O-157」という腸管出血性大腸菌に感染した例が報告されました。 先週もお話ししたように、この大腸菌は、牛などの体内にあるときは、健康に悪影響のない善玉の大腸菌ですが、これが人間に感染することで、悪玉となり、食中毒になってしまう可能性があることをまずは認識していただきたいと思います。 |
二見いすず: | はい。なるほど。 |
南 武嗣Dr: | つまり、生の肉を食べると、そういった菌に感染するリスクがあることを知っておいていただきたいということです。 |
二見いすず: | なるほど。 |
南 武嗣Dr: | また、生の肉だけではなく、長期間保存していて傷んでしまった食材などを食べても、食中毒になってしまう可能性があるので、注意していただきたいと思います。 |
二見いすず: | まずは、食中毒の危険性のあるものは口にしないということですね。 |
南 武嗣Dr: | そうですね。 また、食中毒予防としては、食品を食べる前に加熱することが有効だと思います。 また、食中毒になる可能性を抑えるために、こまめな手洗い、調理器具の熱湯消毒なども心がけていただきたいと思います。 |
二見いすず: | よく分かりました。 そして、先日起こった生肉による食中毒事件では、生肉を食べた人のご家族で、本人は食べていないのにもかかわらず、感染が確認された例があったようですが・・・。 |
南 武嗣Dr: | はい。これは、二次感染と言われるものです。 例えば、食中毒の原因となる菌に感染した人が、トイレで用を足したとき、手洗いしたとしても菌が手に残ってしまうことがあります。 この大腸菌が、知らず知らずのうちに料理や洋服や家具に付着して、他の人に感染してしまうことがあるのです。 |
二見いすず: | そういったことも起こりうるのですね。 |
南 武嗣Dr: | そうなんです。 ですから、抵抗力の弱い小さいお子さんやお年寄りのいる家庭の方は、本人に食中毒の危険性のあるものを食べさせないことはもちろんですが、自分が食べたことが原因となり、二次感染させてしまう可能性があることを知り、十分に注意していただきたいと思います。 |
二見いすず: | なるほど。 つまり、大人の方で、自分は大丈夫、と思っていても、菌に感染してしまったら、子どもやお年寄りに二次感染してしまう可能性があることを忘れずに、十分な注意をしていただきたいということですね。 |
南 武嗣Dr: | そうですね。 |
二見いすず: | なるほどよく分かりました。 来週も食中毒についてお話を伺います。 お話は、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。 ありがとうございました。 |
南 武嗣Dr: | ありがとうございました。 |