2011.7.9 第427回放送分『高血圧』 ゲスト:宮田昌明ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、「高血圧」について、鹿児島県医師会の宮田昌明(みやたまさあき)ドクターにお話を伺っています。
宮田さん、今週もよろしくお願い致します。

宮田 昌明Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 先週は、高血圧とは、上の血圧または、下の血圧のいずれかが、定められた基準値よりも高くなってしまうことを言うということでした。
高血圧だと診断されるのは、病院の診察室で計った血圧が、上が140mmHg、あるいは、下が90mmHg以上のときということですね。

宮田 昌明Dr: その通りです。

二見いすず: また、高血圧は日本で一番多い病気であり、日本には約4000万人、つまり、3人に1人は高血圧ということで、多くの方に関わりのある病気だとうかがいました。
では、高血圧になると、健康にどのような影響があるのでしょうか。

宮田 昌明Dr: はい。
高血圧で怖いのが合併症です。
高血圧になると、血管に負担がかかりますから、血管のあるところはみな高血圧の影響を受けると言っても過言ではないと思います。

二見いすず: 血管があるところにはすべて影響があるとは、怖いですね。

宮田 昌明Dr: そうですね。
高血圧の代表的な合併症としては、脳卒中、心筋梗塞、心不全、腎不全などがあります。

二見いすず: 脳卒中、心筋梗塞、心不全、腎不全ですか・・・。
命に関わるような重大な病気ですね。

宮田 昌明Dr: そうですね。
日本人の死因の最も多いのはガンで、2位が心臓病、3位が脳卒中です。
高血圧は、この2位と3位に直接かかわりますから、高血圧を未然に予防すること、また、かかってしまった方も血圧を低く抑えるように努力することが、元気で長生きするポイントです。

二見いすず: 本当にそうですね。
では、次に高血圧の原因について教えてください。

宮田 昌明Dr: はい。高血圧には、2つの種類があります。
心臓が無理をして血圧を上げることによる本態性高血圧症と、腎臓が悪いなどの臓器疾患で血圧が高くなる二次性高血圧症があります。

二見いすず: 本態性高血圧症と二次性高血圧症ですね。

宮田 昌明Dr: そうですね。
圧倒的に数が多いのが、心臓が無理をして血圧を上げることによる本態性高血圧症です。
この高血圧は、主に、加齢によって血管が硬くなってしまうことで、体のすみずみまで血液を届けられなくなり、心臓が無理をして血圧を高くすることから起こります。

二見いすず: なるほど。
老化で硬くなってしまった血管の機能をカバーしようとして、心臓が無理をして血圧を高くするから、高血圧になるんですね。

宮田 昌明Dr: そうなんです。
これが加齢による高血圧の原因です。
また、本態性高血圧は遺伝因子や生活習慣などの環境因子も大きく関係しているとされています。

二見いすず: わかりました。
では来週は、高血圧の原因をふまえて、私たちが日ごろ気をつけたい予防法について詳しく伺いたいと思います。
お話は宮田昌明(みやたまさあき)ドクターでした。
ありがとうございました。

宮田 昌明Dr: ありがとうございました。