2011.7.16 第428回放送分『高血圧』 ゲスト:宮田昌明ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、「高血圧」について、鹿児島県医師会の宮田昌明(みやたまさあき)ドクターにお話を伺っています。
宮田さん、今週もよろしくお願い致します。

宮田 昌明Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 先週は、高血圧は、脳卒中や心筋梗塞など、命に関わる重大な合併症を引き起こすので、ぜひ高血圧予防や血圧を抑えることを心がけてほしい、とのことでした。

宮田 昌明Dr: その通りです。
予防にあたり、高血圧の原因をまず知っておいていただきたいと思います。
まず、高血圧には、心臓が無理をして血圧を上げることによる本態性高血圧症と、腎臓が悪いなどの臓器疾患で血圧が高くなる二次性高血圧症があります。

二見いすず: はい。
数は圧倒的に本態性高血圧症の方が多いということでしたね。

宮田 昌明Dr: そうですね。
そこで、今回は、日本で一番多い病気でもある、本態性高血圧症の予防について、詳しくお話をしたいと思います。

二見いすず: はい。
先週のお話ですと、本態性高血圧症の原因については、加齢による血管の老化や遺伝、生活習慣などの環境的な要因が関係しているということでした。
加齢や遺伝はなかなか自分の力ではどうすることもできませんが、生活習慣であれば、改善していけそうですよね。

宮田 昌明Dr: そうですね。
高血圧の予防や治療には、生活習慣の改善がとても重要です。

二見いすず: では、具体的にはどのようなことを心がければいいのでしょうか。

宮田 昌明Dr: はい。まず、食塩の制限が大切です。

二見いすず: 1日どれくらいを目安にしたらよろしいのでしょうか。

宮田 昌明Dr: そうですね。1日6g未満を心がけてください。

二見いすず: 食塩摂取量が1日6g未満というとどのくらいでしょうか・・・。

宮田 昌明Dr: 現在の一般的な日本人の食塩摂取量は、約11gです。
つまり、今使っている調味料の塩や味噌や醤油などを半分にしましょう、ということです。

二見いすず: 今の半分となると、かなり薄味になりそうですね・・・。

宮田 昌明Dr: そうですね。
体を使って働かれている方は別ですが、一般の方は、高血圧予防や治療で血圧を低く抑えるためにも、薄味になれていく努力をしてください。
減塩に成功させるコツは、塩分を急に半分に減らすのではなく、徐々に減らしていくことです。急に減らすと、食事がおいしくなくなり、なかなか続けることができません。
徐々に減塩して、半年くらいで塩分を半分にしてください。

二見いすず: わかりました。そのほかにできることはありますか?

宮田 昌明Dr: はい。野菜・果物を積極的にとってください。
また、節酒、禁煙も大切です。

二見いすず: 節酒ということは適量のお酒なら大丈夫、ということですね。

宮田 昌明Dr: はい。少量の酒は百薬の長、とも言われます。
目安は、1日に焼酎なら0.5合、ビールなら350mlを1缶、ワインならグラス2杯程度です。
タバコに関しては、節煙ではなく禁煙することが重要です。

二見いすず: よくわかりました。
来週も引き続き、高血圧について詳しく伺います。
お話は宮田昌明(みやたまさあき)ドクターでした。
ありがとうございました。

宮田 昌明Dr: ありがとうございました。