2011.9.24 第438回放送分『スポーツ外傷』 ゲスト:増田明敏ドクター


二見いすず: 今月は「スポーツ外傷」についてお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の増田明敏(ますだあきとし)ドクターです。
増田さん、最終日の今日もよろしくお願いいたします。

増田 明敏Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 最終日の今日は、運動会で起こりやすいスポーツ外傷についてお願いします。

増田 明敏Dr: 運動会における子供さん達の怪我は小学生と中学生以上では少し異なります。
小学生では競技外、つまりテントなど設営の準備中や休憩時間でのケガが一番多くみられます。
その他では、短距離、騎馬戦、リレーといった種目でのケガが多くなっています。

二見いすず: はい。

増田 明敏Dr: また、中学生以上になるとリレーでのケガが一番多くなっています。
それ以外でも、二人三脚やムカデリレーなどの団体種目で起こることも多いです。

二見いすず: なるほど。
では何かアドバイスをいただけますか?

増田 明敏Dr: はい。
運動会に参加される子供さんは、一生懸命競技をすることはもちろん大切なことですが、できるだけケガをしないように「競技ルールをきちんと守ること」、「自分勝手な行動をしないこと」、そして「時間に余裕をもって行動すること」をお願いしたいと思います。

二見いすず: そうですね。

増田 明敏Dr: そして、転んですりキズができた場合は患部の砂や汚れを水道水で洗い流してください。
消毒液でむやみに消毒する必要はありません。
洗浄後、患部を清潔に保ちワセリンを塗っておけば、人間の自然治癒力で傷は治ると思います。
ぜひ覚えておいてください。

二見いすず: わかりました。
その他に何かありますか?

増田 明敏Dr: はい。
運動会でおこるケガは実は親御さんのケガも多いです。

二見いすず: なるほど。
お父さんたちが走る場面などもありますもんね。

増田 明敏Dr: そうなんです。
子供たちは運動会に向けて練習を重ねているのですが、お父さんたちは何の準備もなく、当日いきなり全力疾走してしまい、体に無理な負担をかけてケガしてしまうことも多いんです。

二見いすず: なるほど。

増田 明敏Dr: 若いときにスポーツが得意だった方などは、「もっと走れるはずだ」とご自分を過信して、上半身は前へ前へと進んでいるのに足がついていかずに転倒してしまうというケースがあります。
つまりイメージとのギャップが産んだケガと言えますね。

二見いすず: なるほど。

増田 明敏Dr: 運動会で久しぶりに走る、というお父さん方はぜひ運動会の前から少しずつ走る練習をしたり、しっかりストレッチをしたりして、準備をしていただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
今月は、鹿児島県医師会の増田明敏(ますだあきとし)ドクターにお話を伺いました。
貴重なお話をありがとうございました。

増田 明敏Dr: ありがとうございました。