2011.10.15 第441回放送分『眼科疾患』 ゲスト:大塚早苗ドクター


二見いすず: 今月は、10月10日の目の愛護デーにちなみ、眼の病気についてお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の大塚早苗(おおつかさなえ)ドクターです。
大塚さん、今週もよろしくお願いいたします。

大塚早苗Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、白内障についてうかがいました。
今週は、緑内障について伺いたいと思います。
まず、緑内障はどんな病気でしょうか。

大塚早苗Dr: はい。
緑内障は、視神経が傷んで視野が狭くなっていく病気です。
かなり進行すると失明してしまう危険性もある病気なんです。
そして、実は、この病気は、原因がはっきりわかっていないんです。

二見いすず: 原因がはっきりわからないということは、治療も難しいのではないですか。

大塚早苗Dr: そうなんですが、緑内障の治療としては、眼圧を下げると進行を抑えられることが、わかっているんです。

二見いすず: なるほど。
では、眼圧を下げる治療とは、どういったものでしょうか。

大塚早苗Dr: はい。
初期の段階では、目薬で眼圧を下げる治療を行い、進行を抑えます。

二見いすず: はい。
では、進行してしまっている状態の場合はどのような治療を行うのでしょうか。

大塚早苗Dr: はい。
視野狭窄が進んでいて、目薬では眼圧のコントロールができない場合は、手術かレーザー治療を行うことになります。

二見いすず: 手術かレーザー治療ですか…。
できれば、そういった手術をしなければならなくなる前に、治療したいものですよね。

大塚早苗Dr: そうですね。
でも、緑内障は、自覚症状を感じにくいため、初期の段階で、自分で気づくことはとても難しいんです。

二見いすず: 自覚症状を感じにくいんですね…。
ということは、やはり健康診断でしょうか。

大塚早苗Dr: そのとおりです。
「緑内障」は原因がはっきりわかっておらず、完治は難しい病気ですが、早期発見できれば、進行を遅らせることができます。
緑内障は、決して珍しい病気ではありませんから、人ごとだと思わず、40歳を過ぎたら、検査を受けていただければと思います。

二見いすず: わかりました。

大塚早苗Dr: 緑内障の検査は、眼圧、眼底、視野を調べて診断し、経過を見ます。
この眼底検査で、緑内障以外にも、糖尿病網膜症などの全身疾患が発見され、内科にご紹介することもあるんですよ。

二見いすず: よくわかりました。
眼圧検査、眼底検査、視野検査は、緑内障の発見はもちろん、糖尿病などの全身疾患の発見にもつながるそうなので、ぜひ定期的に調べていただきたいと思います。
大塚さん、今日もありがとうございました。

大塚早苗Dr: ありがとうございました。