2011.11.5 第444回放送分『インフルエンザ』 ゲスト:太原博史ドクター



二見いすず: 11月に入りました。今月は、インフルエンザについて、鹿児島県医師会の太原博史(たはらひろふみ)ドクターにお話を伺います。
太原さん、よろしくお願いいたします。

太原博史Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: インフルエンザといえば、一昨年、昨年と新型インフルエンザが流行し、社会的に大きな影響がありましたね。

太原博史Dr: そうですね。
一昨年、昨年と続いたAソ連型の変異株である新型インフルエンザでは、小・中・高校生や大学生などの若年層に多く発症しました。
これは、多くの若者が新型インフルエンザに対する免疫がなかったことが原因だといわれています。

二見いすず: なるほど。特徴的ですね。
では、今年も引き続き新型インフルエンザが流行するのでしょうか。

太原博史Dr: はい。
でも、二見さん、今年は同じA/H1N1パンデミックというインフルエンザウイルスでも、もう新型とは言わないんですよ。

二見いすず: えっ、どういうことでしょうか。

太原博史Dr: はい。
一昨年、昨年と流行した新型インフルエンザですが、今年の3月31日に沈静化したと厚生労働省から発表されました。
今年は3年目に入り、呼び名も「インフルエンザH1N12009」と呼ばれることになりました。

二見いすず: なるほど。インフルエンザ2009ですね。

太原博史Dr: はい。
もう新型ではなく、季節性インフルエンザの一つとして取り扱うことになります。
インフルエンザ2009には、過去2年で多くの方が感染し、免疫ができている方も増えてきているので、流行の形は一昨年のようなことは無いと考えられます。

二見いすず: 同じウイルスでも、変わってくるんですね。

太原博史Dr: そうですね。
これまでは、若年層にも重症患者が多かったのですが、重症化やお亡くなりになられる方が、昨年度は高年齢層に移ってきています。
つまり、従来の季節性インフルエンザと似たパターンになっています。

二見いすず: なるほど。
それで、新型が季節性になったからといって、油断はしてはいけないということですね。

太原博史Dr: そうですね。
季節性とはいっても、例年、重症化や死に至るケースがみられますから、一昨年、昨年と同じく、しっかりと予防をしていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。

太原博史Dr: 今年もすでに医療機関では、インフルエンザの予防接種がスタートしています。
今年は、乳幼児のワクチンの接種量が以前よりも多くなっていますので、より高い予防効果が期待されます。

二見いすず: わかりました。
予防接種はもう始まっているとのことですので、医療機関や保健所などに早めに相談していただきたいと思います。
お話は、鹿児島県医師会の太原博史ドクターでした。
ありがとうございました。

太原博史Dr: ありがとうございました。