2011.11.26 第447回放送分『インフルエンザ』 ゲスト:太原博史ドクター



二見いすず: 今月は、インフルエンザについて、お送りしています。
最終日の今日も、お話は、鹿児島県医師会の太原博史(たはらひろふみ)ドクターに伺います。
太原さん、本日もよろしくお願いいたします。

太原博史Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 最終日の今日は、インフルエンザにかかってしまったときの治療や対処についてお願いいたします。
ではまず、自分がインフルエンザにかかってしまったのかどうかは、どのように判断できるのでしょうか。

太原博史Dr: はい。
まずは医療機関などで鼻の粘膜をとって、迅速検査を行います。
ただし、症状の出はじめのころ、おおよそ12時間以内ではウイルス量が少なく、早い段階では結果が正確に出ない場合があります。

二見いすず: なるほど、早すぎても結果が出ない場合もあるのですね。

太原博史Dr: そうですね。
また、医師は検査だけではなく、周囲の流行状況や症状からインフルエンザの診断する場合もありますので、必ずしも迅速検査が必要なわけではありません。

二見いすず: わかりました。
では、検査や診察でインフルエンザと診断された場合は、どのような治療が行われるのでしょうか。

太原博史Dr: はい。
新型インフルエンザから呼び名が変わったインフルエンザ2009に関しても、一昨年、昨年と同じく、タミフル、リレンザなどの抗インフルエンザ薬で治療します。
また、昨年からは1回の吸入だけで効果が期待できるイナビルという吸入薬も登場しましたので、そういった薬を使用する場合もあります。

二見いすず: 抗インフルエンザ薬はどのくらいで効くのでしょうか。

太原博史Dr: はい。
飲むと早めに熱は下がりますが、感染力は持続すると考えられておりますので、薬を使用してから5日間ぐらい、または、解熱後2日間は自宅で安静にしていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
高熱などの対応はどうしたらよろしいでしょうか。

太原博史Dr: そうですね。
医療機関では症状緩和のため、かぜ薬や解熱剤などを処方します。
子どもの解熱剤は、アセトアミノフェンという子どもに適した解熱剤を使用します。
薬によっては脳症などのリスクが高まると言われていますので、自己判断で薬を飲ませることは避けていただきたいと思います。

二見いすず: わかりました。

太原博史Dr: インフルエンザ2009は、ハイリスク者や乳幼児、高齢者などは重症化に注意が必要ですが、一方で、ごく軽い症状であれば無理に医療機関を受診して治療しなくても、健康な方であれば、自宅療養でなおるケースも多いということもお伝えしておきたいと思います。

二見いすず: わかりました。

太原博史Dr: インフルエンザは、通常、12月中旬から1月末にかけて流行のピークを迎えると言われています。
大流行を防ぐためには、一人ひとりが予防意識を高めて行動すること、そして、集団感染等に注意を払うことがとても重要です。
予防接種を心がけ、うがい、手洗いをしっかりこまめに行うことやマスクの着用、人ごみを避けることなどを心がけていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。今年も例年通り、インフルエンザに対して高い意識を持って、予防を心がけていただき、万が一感染した場合は、ほかの人にうつらないような配慮もお願いいたします。
太原さん、4週にわたり、貴重なお話をありがとうございました。

太原博史Dr: ありがとうございました。