2011.12.10 第449回放送分『アルコールの健康被害』 ゲスト:山口幸一ドクター


二見いすず: 今月のテーマは、年末年始で飲む機会も増えるアルコールについてお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の山口幸一(やまぐちこういち)ドクターに伺います。
山口さん、よろしくお願いいたします。

山口幸一Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、アルコールが体で吸収・分解される仕組みと、人によって、肝臓にあるアルデヒド脱水素酵素の量が違うので、飲める人と飲めない人がいるということを伺いました。

山口幸一Dr: そうですね。

二見いすず: つまり、アルデヒド脱水素酵素が遺伝的にとても少ない方は、体質的にお酒が飲めないということですから、無理に飲んだり、飲ませたりというのは本当に危険ということですよね。

山口幸一Dr: その通りです。
このことはぜひ多くの方に知ってほしいですね。
宴会などで一気飲みの強制は、もってのほかです。
短い時間にたくさん飲んで、血液中のアルコール濃度が増えると、脳神経、心臓などの働きが抑えられて、死に至ることもあります。
いわゆる急性アルコール中毒です。

二見いすず: そうですね。
では、今週は、アルコールの適量について、お話をお願いします。

山口幸一Dr: はい。
アルコールに強い人、弱い人がいらっしゃることをお話しましたが、今回は、お酒を飲める方のお酒の量と体での処理速度についてお話します。

二見いすず: はい。

山口幸一Dr: 例えば、体重が70キロの方のアルコール分解量ですが、体重の数字に0.1をかけた数字が1時間あたりに分解できる純粋なアルコール量の目安になります。
つまり、70×0.1で7ですから、1時間あたり7gです。

二見いすず: なるほど。
70キロの方は、1時間に7gのアルコールを分解できるということですね。

山口幸一Dr: そうですね。
お酒の中に含まれるアルコール量は決まっていますから、ビール350ccですと、アルコール分が5%ですから、17.5gのアルコールが含まれていることになります。
つまり、ビール350ccを分解するためには、体重70キロの人は2時間以上かかるということです。

二見いすず: なるほど。
そうして計算できるのですね。

山口幸一Dr: そうですね。
こうして計算すると、清酒1合、ビール500cc、ウイスキーダブル1杯、焼酎0.7合には、約20gのアルコールが含まれており、それぞれが分解に3時間ほどかかるということになります。

二見いすず: なるほど。
そう考えると、たくさん飲まれる方は、分解に何時間もかかってしまうということですね。

山口幸一Dr: そうですね。
焼酎は2合飲むとアルコール量は90gとなり、分解に10時間以上かかります。
大量に飲みすぎたり、夜遅くまで飲むと、翌朝にアルコールが残ってしまうことになります。

二見いすず: よくわかりました。
今月のドクタートークは、アルコールについてお話を伺っています。
お話は、鹿児島県医師会の山口幸一(やまぐちこういち)ドクターでした。
山口さん、お話をありがとうございました。

山口幸一Dr: ありがとうございました。