2011.12.17 第450回放送分『アルコールの健康被害』 ゲスト:山口幸一ドクター


二見いすず: 今月のテーマは、忘新年会などで飲む機会も増えるアルコールについてお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の山口幸一(やまぐちこういち)ドクターに伺います。
山口さん、よろしくお願いいたします。

山口幸一Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今日は、アルコールの健康被害について具体的にお願いします。

山口幸一Dr: はい。
アルコールが関わる内科的な病気は、やはり肝臓の病気です。

二見いすず: はい。
肝臓の病気といいますと…。

山口幸一Dr: はい。
清酒換算で3合以上5年間、5合以上10年間と飲酒を続けますと、肝臓に障害が起こり、脂肪肝から肝硬変へと次第に病気が進行していきます。

二見いすず: はい。
そのアルコールによる肝臓病にはどんな特徴があるのでしょう。

山口幸一Dr: ほかの原因による肝臓病もそうですが、肝臓の病気は一般的にほとんど自覚症状がありません。
検査を受けない限り病気は見つからないのです。
身体的には鼻の頭が赤くなっていたり、掌が赤くなっている人は要注意です。

二見いすず: 肝臓の病気を起こしているのに、普通に飲酒している限り、ほとんど症状はないのですね。

山口幸一Dr: ええ。
かなり、末期になってお腹に水がたまり、苦しいとか、突然血液を吐いたりして気づくこともあります。
飲酒歴の長い人は、たまには血液検査をうけるようにしてください。

二見いすず: ところで、健康診断を受けて血液検査でγ(ガンマ)―GTPが高く、アルコールを控えるようにいわれる人がいますね。

山口幸一Dr: はい。
γ(ガンマ)―GTPは、肝臓や胆のうなどに多い物質です。
確かにアルコールを飲む人では血液中に増えます。
ですからアルコールを飲んでいる、飲んでいないという良い指標にはなります。
最近、生活習慣病としての肝臓病がとても増えています。
これらの人でもγ(ガンマ)―GTPは増えますし、胆のうなどの病気でも増えますので、しっかり検査を受けて、自分にあった的確な指導を受けてください。

二見いすず: なるほど。
ウイルスなどほかの原因による肝臓病で治療中の方にもアルコール影響はあるのですか。

山口幸一Dr: はい。
肝臓病の原因はいろいろありますが、現在、ウイルスなどの原因で治療中の方は、病気を悪化させることになりますし、肝臓がんなどを引き起こすことも考えられますので、このような人はできるだけアルコールは飲まないようにしてください。

二見いすず: それでは、肝臓病を防ぐアルコールの飲み方についてはいかがでしょうか。

山口幸一Dr: 目安としては、清酒3合、焼酎ですと2合以上飲まないことでしょう。
それと、アルコールを飲まない休肝日を設け、週休2日くらいのアルコールなしの日を作り、肝臓を休ませるようにするといいでしょう。

二見いすず: わかりました。
お話は、鹿児島県医師会の山口幸一(やまぐちこういち)ドクターでした。
山口さん、お話をありがとうございました。

山口幸一Dr: ありがとうございました。