2012.6.2 第474回放送分『食中毒』 ゲスト:湯浅由啓ドクター



二見いすず: 6月に入りました。
今月は、梅雨時期に気になる「食中毒」について、鹿児島県医師会の湯浅由啓(ゆあさよしひろ)ドクターにお話を伺います。
湯浅さん、よろしくお願い致します。

湯浅由啓Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: では、まず、あらためて「食中毒」について、お教えください。

湯浅由啓Dr: はい。
食中毒とは、食べ物や飲み物を摂取して、健康に被害が出ることを言います。

二見いすず: では、食中毒の原因はどんなものがあるのでしょうか。

湯浅由啓Dr: はい。
食中毒の原因は、主に細菌やウイルスなどです。
また、キノコやフグの毒でも食中毒が起こることがあります。

二見いすず: なるほど。
では、それぞれについて詳しく伺いたいのですが、まず、細菌が原因の食中毒はどのようなものがありますでしょうか。

湯浅由啓Dr: はい。
細菌が原因となる食中毒は、食べ物や飲み物に、細菌の毒素そのものが混入していて、その毒素を摂取したことで発症する毒素型と、摂取した食べ物や飲み物に付いていた細菌が体内で増殖し、感染して、健康被害を起こす感染型の2つがあります。

二見いすず: 毒素型と感染型ですね。

湯浅由啓Dr: はい。
毒素型は、感染して数時間で発症します。
また、感染型は、半日から数日間かかって発症するのが特徴です。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。
では、毒素型と感染型の代表的なものを教えていただけますか。

湯浅由啓Dr: はい。
まず、毒素型の代表的なものは、ブドウ球菌ですね。

二見いすず: はい。
ブドウ球菌ですね。
では、感染型は?

湯浅由啓Dr: はい。
感染型の代表的なものは、「O-157」や「O-111」などの病原性大腸菌です。

二見いすず: 「O-157」はよく耳にいたしますね。
過去にも集団食中毒で大きなニュースになったこともありましたよね。
「O-157」は、感染型ということは、原因となる食べ物を食べてから、半日から数日経って発症するということですね。

湯浅由啓Dr: その通りです。
ほかに、サルモネラ菌やカンピロバクターなども感染型の細菌です。

二見いすず: よくわかりました。
では、ウイルスが原因のものはどのようなものがありますか?

湯浅由啓Dr: はい。
ウイルスが原因の食中毒では、ノロウイルスが有名です。
これは特に秋から冬にかけて多く見られる食中毒です。

二見いすず: ノロウイルスも有名ですね。
今回お話を伺いまして、食中毒には、細菌性のものとウイルス性のものがあり、細菌性には、毒素型と感染型があること。
そして、毒素型は感染してすぐに発症し、感染型は半日から数日経ってから発症することがわかりました。
食中毒とひと口に言っても、さまざまなんですね。
来週も食中毒についてさらに詳しく伺っていきたいと思います。
お話は、鹿児島県医師会の湯浅由啓(ゆあさよしひろ)ドクターでした。
ありがとうございました。

湯浅由啓Dr: ありがとうございました。