2012.7.14 第480回放送分『糖尿病』 ゲスト:鎌田哲郎ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「糖尿病」についてお話をうかがっています。
お話は、鹿児島県医師会の鎌田哲郎(かまだてつろう)ドクターです。
鎌田さん、今週もよろしくお願いいたします。

鎌田哲郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: では、今週は糖尿病の原因について、お願いします。

鎌田哲郎Dr: はい。
糖尿病は、インスリンというホルモンの作用不足によって起こります。

二見いすず: インスリンとは、なんですか?

鎌田哲郎Dr: はい。
インスリンとは、すい臓のβ(ベータ)細胞から分泌される物質で、血糖をエネルギーに変えていくところに必要なホルモンで、血糖値を下げる働きがあります。

二見いすず: なるほど。
では、糖尿病の方は、そのインスリンの働きがうまくいっていないということなのでしょうか。

鎌田哲郎Dr: そうですね。
糖尿病の方は、このインスリンが、膵臓からすばやく分泌されなかったり、分泌量が少なかったり、うまく働かなかったりして、血糖値が下がらなくなってしまっているのです。

二見いすず: なるほど。よくわかりました。

鎌田哲郎Dr: 糖尿病には、大きく1型と2型の2つのタイプがあります。
1型はすい臓のベータ細胞が壊れてしまったことが原因で、インスリンが出ない状態になり、高血糖、糖尿病にいたります。

二見いすず: なるほど。

鎌田哲郎Dr: 一方、2型は、インスリンはある程度は血液中に存在するのですが、その分泌がゆっくりだったり、働きが悪いために、充分なインスリンの作用が発揮されないことが原因で、糖尿病になります。

二見いすず: なるほど。
糖尿病には、1型と2型があり、その原因としては、すい臓のベータ細胞が壊れてインスリンが出なくなってしまう場合と、インスリンが出ていても、インスリンの作用が十分でないために、血糖値が下がらなくなることで起こってしまう場合があるということですね。

鎌田哲郎Dr: そのとおりです。
患者さんの数は、2型の患者さんが圧倒的に多く、わが国の糖尿病の約95%を占めています。
2型の場合は、遺伝的になりやすい因子を持っている人が、肥満、過食、運動不足、ストレスなどが負担になって、発症の引き金になります。
40歳以上の成人に多くみられますが、最近では、生活環境の変化で、若い人や子どもでも発症する人も増えています。

二見いすず: なるほど。

鎌田哲郎Dr: 肥満は、2型糖尿病を発症させる大きな原因ですが、日本人では、やせていて発症する2型の患者さんも多く、そのような人ではインスリンの分泌がもともと低く、加齢とともにインスリン分泌が低下し、インスリン治療が必要になる場合が多いことが明らかになっています。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。
本日のお話は、鹿児島県医師会の鎌田哲郎さんでした。
来週は、糖尿病の予防についてお伺いします。
本日はありがとうございました。

鎌田哲郎Dr: こちらこそありがとうございました。