2012.10.13 第493回放送分『眼の病気』 ゲスト:中尾久美子ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、10月の目の愛護デーにちなみ、眼の病気をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の中尾久美子(なかおくみこ)ドクターです。
よろしくお願い致します。

中尾久美子Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 先週は、ぶどう膜炎という眼の病気について伺いました。
代表的な症状として、充血、痛み、かすみ、まぶしさ、飛蚊症、視力の低下などがあるとのことでした。
今週は、ぶどう膜炎の原因についてお願いします。

中尾久美子Dr: はい、わかりました。
実は、ぶどう膜炎の約半数は、原因がまだはっきりと解明されていません。

二見いすず: えっ、そうなんですか。

中尾久美子Dr: はい。
そうなんです。
現在、原因が分かっているものでは、ウイルスや細菌、カビ、寄生虫などによる感染症や、サルコイドーシス、原田病、ベーチェット病などの免疫異常や全身疾患が原因の場合があります。

二見いすず: なるほど。
さまざまな原因があるのですね。

中尾久美子Dr: そうですね。
また、鹿児島を含む南九州の特徴として、トキソプラズマという原虫が眼に入り込んで起こる炎症や、HTLV-1というウイルスに関連する炎症が他の地域に比べて多いという報告もあります。

二見いすず: わかりました。
では、診断・治療はどのように行われるのでしょうか。

中尾久美子Dr: はい。
医療機関では視力や眼圧、眼底検査を行い、診断した後、治療に取り掛かります。

二見いすず: はい。
治療はどのようなことが行われるのでしょうか。

中尾久美子Dr: はい。
治療法は、原因によって異なりますが、基本的には炎症を抑えるためにステロイドという薬を使います。
まず点眼で治療し、炎症が強いときは、眼に注射をすることもあります。
また、飲み薬を服用していただく場合もあります。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。

中尾久美子Dr: 先週もお話させていただきましたが、ぶどう膜炎は、症状が重くなると、失明にもつながりかねない病気です。
症状を感じたら、ぜひできるだけ早く医療機関を受診していただくこと。
そして、治療をきちんと続けていただきたいと思います。

二見いすず: そうですね。

中尾久美子Dr: はい。
ぶどう膜炎は、症状によっては、慢性化してしまい、人によっては治療を自己判断で中断されてしまうケースもあります。

二見いすず: それはいけませんね…。

中尾久美子Dr: そうですね。
最悪の場合は、失明してしまう場合もあることを忘れず、たかが充血…などと軽く考えないで、早期診断・早期治療、そして、完治するまで治療を継続していただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
2週にわたり、ぶどう膜炎についてお話を伺いました。
来週も引き続き眼の病気について伺いたいと思います。
お話は、鹿児島県医師会の中尾久美子(なかおくみこ)ドクターでした。
ありがとうございました。

中尾久美子Dr: ありがとうございました。