2013.3.9 第514回放送分『糖尿病』 ゲスト:鎌田哲郎ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、「糖尿病」についてお話をうかがっています。
お話は、鹿児島県医師会の鎌田哲郎(かまだてつろう)ドクターです。
鎌田さん、今週もよろしくお願いいたします。

鎌田哲郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: では、本日は糖尿病の原因についてお話をお願いします。

鎌田哲郎Dr: はい。
糖尿病の原因は、一言で言いますと、インスリンというホルモンの作用不足です。

二見いすず: インスリンとは、なんですか?

鎌田哲郎Dr: はい。
インスリンは、すい臓のβ(ベータ)細胞から分泌される物質で、血糖をエネルギーに変えていくために必要なホルモンで、血糖値を下げる働きがあります。

二見いすず: なるほど。
では、糖尿病の方は、そのインスリンがうまく働かず、血糖値が下がらないということなんですね。

鎌田哲郎Dr: そうですね。
糖尿病の方は、このインスリンが、膵臓からすばやく分泌されなかったり、分泌量が少なかったり、うまく働かなかったりして、血糖値が下がらなくなってしまうのです。

二見いすず: なるほど。

鎌田哲郎Dr: 糖尿病には、大きく1型と2型の2つのタイプがあります。
1型はすい臓のベータ細胞が壊れてしまうことが原因で、インスリンが出ない状態になり、高血糖、糖尿病にいたります。

二見いすず: なるほど。

鎌田哲郎Dr: 2型は、インスリンはある程度は血液中に存在するのですが、その分泌がゆっくりだったり、働きが悪いために、充分なインスリンの作用が発揮されないことが原因で、糖尿病になります。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。
糖尿病には、1型と2型があり、その原因としては、すい臓の影響でインスリンが出なくなってしまう場合と、インスリンが出ていても、インスリンの作用が十分でないために、血糖値が下がらなくなることで起こってしまう場合があるということですね。

鎌田哲郎Dr: そのとおりです。
わが国の糖尿病の患者さんの約95%は、2型です。
2型は、遺伝的になりやすい因子を持っている人が多く、肥満、過食、運動不足、ストレスなどの生活習慣などが影響して、発症につながっているようです。

二見いすず: なるほど。

鎌田哲郎Dr: 肥満は、2型糖尿病を発症させる大きな原因ですが、日本人では、やせていても発症する2型の患者さんも多く、そのような人はインスリンの分泌がもともと低く、加齢とともにインスリン分泌が低下し、インスリン治療が必要になる場合が多いことが明らかになっています。
「私は太っていないから大丈夫」と思っている方も、遺伝要因を持っている場合は、一度検査をされることをおすすめいたします。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。
本日のお話は、鹿児島県医師会の鎌田哲郎さんでした。
ありがとうございました。

鎌田哲郎Dr: ありがとうございました。