2013.3.16 第515回放送分『糖尿病』 ゲスト:鎌田哲郎ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、「糖尿病」についてお話をうかがっています。
お話は、鹿児島県医師会の鎌田哲郎(かまだてつろう)ドクターです。
鎌田さん、今週もよろしくお願いいたします。

鎌田哲郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、糖尿病になる原因は、1型と2型があり、血糖値を正常に保つ働きをするインスリンが分泌されない1型と、インスリンはある程度分泌されているけれども、うまく働かなかったり、分泌のスピードがゆっくりだったりして、うまく作用しない2型があるということでした。
日本人は2型が圧倒的に多く、遺伝因子をもっている方が、生活習慣の乱れなどが引き金になって発症するケースが多いとのことでしたね。

鎌田哲郎Dr: そうですね。
また、ひとつ最近の傾向としてお話しておきたいのが、若い方の糖尿病が増えているということです。

二見いすず: はい。

鎌田哲郎Dr: これまでは、糖尿病というと、40代以降の方がかかる病気というイメージがあったかもしれません。

二見いすず: そうですね。

鎌田哲郎Dr: しかし、現在は、若い方々の食事のスタイルの変化や運動不足などが影響し、20代、30代で発症する方も増えてきました。

二見いすず: えっ、20代もですか。

鎌田哲郎Dr: そうなんです。
小学生・中学生で発症するケースも増えています。

二見いすず: それは驚きました。

鎌田哲郎Dr: 糖尿病は、先週も申し上げましたように、失明、腎不全からの血液透析、動脈硬化など、さまざまな深刻な合併症につながっていく病気です。もちろん、若い患者さんも例外ではありません。

二見いすず: はい。

鎌田哲郎Dr: 私はまだまだ若いから糖尿病は関係ない、と思わないでください。
糖質や脂肪のとりすぎや運動不足などが重なると、子どもたちでも糖尿病にかかる危険性があることを知っておいていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。

鎌田哲郎Dr: 子どものときの食生活は大人になってからの食嗜好に大きな影響を与えます。
子どものときから健康を考えたバランスのよい食事を考えてあげていただきたいと思います。

二見いすず: そうですね。

鎌田哲郎Dr: 小中学校では学校検診で尿糖を必ず調べています。
お子さんが尿糖陽性で糖尿病の疑いがある場合は、必ず親御さんは2次検診を受けさせてください。
そこで早期に糖尿病が見つかる場合もあります。
また、糖尿病であると判明したときは、決して放置せず、しっかりと治療に向き合って合併症を防いでいただきたいと思います。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。
本日のお話は、鹿児島県医師会の鎌田哲郎さんでした。
ありがとうございました。

鎌田哲郎Dr: ありがとうございました。