2013.3.30 第517回放送分『糖尿病』 ゲスト:鎌田哲郎ドクター



二見いすず: ドクタートークは、「糖尿病」についてお話をうかがっています。
お話は、鹿児島県医師会の鎌田哲郎(かまだてつろう)ドクターです。
鎌田さん、今週もよろしくお願いいたします。

鎌田哲郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週は糖尿病の治療についてお願いいたします。

鎌田哲郎Dr: はい。
糖尿病の治療は、まず血糖値を正常に保ち、血管や神経を障害から守り、合併症をひき起こさないことを目指します。

二見いすず: はい。
では具体的な治療法はどのようなものがあるのでしょうか。

鎌田哲郎Dr: はい。
まず、糖尿病の治療について知っておいていただきたいことは、現在は、残念ながら糖尿病を完全に治して無くすることは出来ないということです。
しかし、血糖値のコントロールを続けていくことで、合併症を防ぐことは十分に可能です。

二見いすず: なるほど。
では、血糖値のコントロールはどのようにすればよろしいのでしょうか。

鎌田哲郎Dr: はい。
食事や運動療法がまず基本ですが、必要があれば、内服薬やインスリン注射を行います。
最近、新しい薬物療法の一つとしてインクレチン関連のお薬も使えるようになりました。
また、2型の糖尿病の方でもインスリン注射をある一定期間使ってβ細胞を休めてやる方法や1日1回のインスリン注射と飲み薬を併用する方法もよく用いられます。

二見いすず: なるほど。

鎌田哲郎Dr: 糖尿病治療については、自分で日常生活の中で実践しなければならないことが多く、その結果が治療に大きく影響します。

二見いすず: なるほど。
糖尿病は自己管理がとても大切なのですね。

鎌田哲郎Dr: そうですね。
糖尿病は自覚症状がほとんどない病気だからこそ、患者さんご自身が糖尿病の怖さを理解し、治療を実践することがとても大切です。
たとえば、糖尿病教育入院というプログラムがあります。
これは、正しく病気について理解し、食事や運動について学び、ご自分の健康管理のエキスパートになっていただくことを目的としています。

二見いすず: なるほど。

鎌田哲郎Dr: また、国の糖尿病対策事業の一環として、鹿児島市では3月から「糖尿病に関する病診連携」がスタートしています。
これは、糖尿病の患者さんを、かかりつけの先生と糖尿病専門医が連携を取りながら一緒に診ていくもので、日ごろはかかりつけの先生に処方や検査をしてもらい、半年に1度専門医で食事指導やチェックを受ければ、患者さんにとっても通院や待ち時間の負担が減り、継続治療がしやすくなると思います。

二見いすず: なるほど。
連携の仕組みがスタートするというわけですね。

鎌田哲郎Dr: そうですね。
また、鹿児島県のそのほかの地域でも、糖尿病治療のレベルアップや連携を図る試みがなされつつあります。
鹿児島県全体の糖尿病治療が前進するように、力を合わせて努力しています。

二見いすず: よくわかりました。
ありがとうございました。

鎌田哲郎Dr: ありがとうございました。