2013.4.6 第518回放送分『感染性胃腸炎』 ゲスト:伊地知修ドクター



二見いすず: 4月になりました。
今月のドクタートークは、「感染性胃腸炎」についてお話をうかがいます。
お話は、鹿児島県医師会の伊地知修(いぢちおさむ)ドクターです。
伊地知さん、よろしくお願いいたします。

伊地知修Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: ではまず、「感染性胃腸炎」とはどんな病気なのでしょうか。

伊地知修Dr: はい。
感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌などの病原体により、嘔吐、下痢などの急性の胃腸炎症状をひきおこす感染症のことを言います。

二見いすず: なるほど。
ウイルスや細菌に感染しておこるのですね。

伊地知修Dr: そうですね。
感染性胃腸炎は、嘔吐・下痢などの症状のほか、重症になると脱水、ときには、死に至ることもあります。

二見いすず: えっ、命に関わることもあるのですね。

伊地知修Dr: そうなんです。
開発途上国では、急性胃腸炎による乳幼児の死亡率は依然として高い現状があります。
また、日本でも乳幼児の入院の原因としては上位を占めているんですよ。

二見いすず: そうなんですね。
よくわかりました。
では、感染性胃腸炎の原因はなにでしょうか?

伊地知修Dr: はい。
感染経路としては、食品を介しての感染、また、ヒトからヒトへの感染があります。
原因としては、大きくはウイルスによるものと、細菌によるものに分けられます。

二見いすず: 食品を介しての感染、またヒトからヒトへの感染があるのですね。

伊地知修Dr: そうですね。
まず、ウイルスによるものは、ウイルス性胃腸炎や嘔吐下痢症と呼ばれます。
別名で「おなかにくる風邪」とも言います。
これらの原因となる主なウイルスとしては、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどがあります。

二見いすず: ノロウイルスはよく耳にいたしますね。

伊地知修Dr: そうですね。
ノロウイルスは、乳幼児から高齢者にいたる広い年齢層で急性胃腸炎を引きおこします。
流行時期は、11月から3月の秋・冬に多発します。

二見いすず: はい。

伊地知修Dr: ノロウイルスの感染から、症状が出るまでの潜伏期間は、およそ12時間から48時間で、感染してから比較的短時間で発症します。

二見いすず: どんな症状がでるのでしょうか。

伊地知修Dr: はい。
ウイルス性胃腸炎の特徴としては、突然吐き始め、続いて水のような下痢になります。
発熱、腹痛を伴うこともあります。
発熱・嘔吐は1日から2日で治まり、下痢は3日から1週間ほどでよくなります。
下痢は、レモン色や白色で、すっぱいにおいが特徴です。

二見いすず: はい。

伊地知修Dr: また、その中でも、ノロウイルスは、下痢だけでなく、嘔吐も引き起こすのが特徴です。

二見いすず: よくわかりました。
来週も引き続き、感染性胃腸炎について詳しく伺います。
ありがとうございました。

伊地知修Dr: ありがとうございました。