2013.4.20 第520回放送分『感染性胃腸炎』 ゲスト:伊地知修ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、「感染性胃腸炎」についてお話をうかがっています。
お話は、鹿児島県医師会の伊地知修(いぢちおさむ)ドクターです。
伊地知さん、よろしくお願いいたします。

伊地知修Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、感染性胃腸炎の中でも、ノロウイルスについて、感染経路や予防法について伺いました。
今週は、そのほかのウイルスについて伺います。

伊地知修Dr: はい。
ウイルス性急性胃腸炎の代表的なものには、ノロウイルスのほかに、ロタウイルスと腸管アデノウイルスがあります。

二見いすず: はい。
では、ロタウイルスとはどのようなものなのでしょうか。

伊地知修Dr: ロタウイルスは、日本では初冬から初春にかけて、年齢的には6ヶ月から2歳の乳幼児を中心に発症する急性胃腸炎の原因となります。

二見いすず: どんな症状でしょうか。

伊地知修Dr: はい。
病気の初期には発熱することが多く、ときには39度以上の高熱が出ることがあります。
急な吐き気や嘔吐から始まり、続いて黄白色から白色の水のような様便が見られます。
ときには嘔吐のみ、下痢のみということもあります。

二見いすず: なるほど。
ロタウイルスは高熱を伴うことが多いということですね。

伊地知修Dr: そうですね。
こちらは、感染から発症までは2日から4日で、発症してからおよそ3日から7日間程度で治癒します。
胃腸炎以外の症状で、熱性痙攣や、無熱性痙攣、肝機能障害を起こすこともあります。

二見いすず: なるほど。

伊地知修Dr: 乳幼児がこの胃腸炎にかかると、脱水になりやすく、入院になるケースもあり、乳幼児期ではもっとも重症度の高い胃腸炎になりやすい病気で、最悪の場合は命にかかわることもあります。

二見いすず: それは大変心配ですね。

伊地知修Dr: そうですね。
感染経路は、ノロウイルスと同じで、口から体内に入り感染します。
予防法は、手洗い・うがいの徹底、食品への十分な過熱、調理器具を清潔にすること、感染者が身近にいる場合は、汚物の適切な処理などを注意して行ってください。

二見いすず: はい。

伊地知修Dr: また、このロタウイルスについては、昨年からワクチンが接種できるようになりました。

二見いすず: そうなんですね。
何歳から接種することができるのでしょうか。

伊地知修Dr: はい。
生後2ヶ月から可能です。
これは、シロップ状の飲むワクチンです。
ロタウイルスの感染が心配な方はワクチン接種をおすすめしたいと思います。
詳しくは、医療機関でご相談ください。

二見いすず: よくわかりました。
来週も引き続き、感染性胃腸炎について伺います。
ありがとうございました。

伊地知修Dr: ありがとうございました。