二見いすず: | ドクタートークのテーマは「認知症」です。 お話は、鹿児島県医師会の永田浩三(ながたこうぞう)ドクターです。 永田さん、よろしくお願いいたします。 |
永田浩三Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 高齢化社会を迎えて、「認知症」はよく聞かれる病気となりました。 あらためて「認知症」とはどういう病気なのでしょうか。 |
永田浩三Dr: | はい。 認知症は、一言でいうと、脳の病気です。 少し詳しく言いますと、一度は、正常に発達した認知機能が、後天的な脳の障害によって、認知機能が持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言います。 |
二見いすず: | わかりました。 では、その認知機能が低下する、というのはどのようなことを言うのでしょうか。 |
永田浩三Dr: | はい。 代表的なもので、記憶力や思考力の低下や、話を理解したり計算したりする能力の低下、学習能力の低下などが挙げられます。 |
二見いすず: | なるほど。 年齢を重ねれば、誰でも気になってくることですね。 |
永田浩三Dr: | そうですね。 「認知症」は、これらの認知機能が、持続的に低下し、進行・慢性化する病気と言えます。 |
二見いすず: | なるほど。 よくわかりました。 では、「認知症」の症状についてお願いします。 |
永田浩三Dr: | はい。 「認知症」の症状は、2つのタイプの症状があることを知っていただきたいと思います。 |
二見いすず: | 2つのタイプ、ですか…。 |
永田浩三Dr: | はい。 まず1つめは、「認知症」の原因である、脳の障害そのものが引き起こす「中核症状」と呼ばれるものがあります。 |
二見いすず: | はい。 脳の障害そのものが引き起こす症状と言いますと、先ほどのお話にありました、記憶力や思考力、理解力、計算力、学習能力などの低下のことでしょうか。 |
永田浩三Dr: | そうですね。 さらに具体的に申し上げますと、最近の記憶や出来事や行動を忘れてしまう、今の日付や時間、人物などがわからなくなる、品物がわからない、人の名前が出てこない、服の着方、道具の使い方がわからない、段取りや計画が立てられなくなる、などの症状があります。 これを中核症状と言います。 |
二見いすず: | わかりました。 では、もう一つの症状はどんなものでしょうか。 |
永田浩三Dr: | はい。 「認知症」の2つめの症状は、「周辺症状」または、「行動・心理症状(BPSD)」と言いまして、認知機能の低下による環境の変化や体の状況、介護者とのかかわり方などが関係して起こるものです。 |
二見いすず: | なるほど。 具体的にはどのような症状があるのでしょうか。 |
永田浩三Dr: | はい。 財布や物を盗まれたという妄想や、幻覚・幻聴、不安で一人でいられない、徘徊してしまう、暴言・暴力、抑うつ気分などがあります。 |
二見いすず: | よくわかりました。 では、来週も引き続き認知症についてさらに詳しく伺います。 お話は、鹿児島県医師会の永田浩三(ながたこうぞう)ドクターでした。 ありがとうございました。 |
永田浩三Dr: | ありがとうございました。 |