2013.6.15 第528回放送分『放射線治療』 ゲスト:加治屋芳樹ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークのテーマは「放射線治療」です。
お話は、鹿児島県医師会の加治屋芳樹(かじやよしき)ドクターです。
加治屋さん、今週もよろしくお願いいたします。

加治屋芳樹Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、放射線治療が、癌の治療の選択肢の一つであり、治療は25〜30回にわけて放射線を照射し、短い時間で治療できて、治療後の痛みなどの影響も大きくないため、仕事など、日常生活を続けながら、治療をすることが可能ということを伺いました。

加治屋芳樹Dr: その通りです。
ただし、放射線治療を行った場合、影響がまったくないというわけではなく、皮膚炎、粘膜炎、脱毛、口やのどの乾燥、全身倦怠感などがでる場合もあります。
これらは軽度のものとされておりまして、治療が終了すると、自然に軽減していくので、あまり大きな心配は必要ありません。

二見いすず: なるほど。
一方で、放射線治療というと、漠然とではありますが、体へ何らかの影響が残ってしまうようなイメージがあります。

加治屋芳樹Dr: はい。
よくニュースなどでも、放射能の影響が取りざたされておりますから、気になられる点だとは思います。

二見いすず: はい。

加治屋芳樹Dr: 放射線治療は、私たち専門医が行う、治療を目的としたものですから、人体の健康への影響を考えた一定の許容線量が決められています。
つまり、癌の腫瘤を根治するための放射線治療は、医師の管理の下で、被ばく線量の合計を、健康への影響を配慮した許容線量内になるように計算して行っているということを知っておいていただきたいと思います。

二見いすず: なるほど、よくわかりました。
専門医が被ばく量を計算してくださり、その許容線量内で治療していただけるということなので、安心いたしました。

加治屋芳樹Dr: そうですね。
ただし、治療が終わった後にみられる障害として、治療した部位にもよりますが、放射線肺炎唾液分泌の低下によるドライマウスや放射線膀胱炎、放射線直腸炎等があることも知っておいていただきたいと思います。

二見いすず: なるほど、わかりました。

加治屋芳樹Dr: また、妊娠中の被ばくは出産や胎児への影響があることもお伝えしておきたいと思います。

二見いすず: なるほど。

加治屋芳樹Dr: もちろん、こういった注意事項や影響については、放射線治療を受ける際に、医療機関で説明がなされると思いますので、それぞれのケースに合わせて、ご説明を受けていただけたらと思います。

二見いすず: わかりました。
放射線治療は、何度も分けて治療が行われること、また、人によっては、仕事などの日常生活を続けながら、治療することが可能である治療方法でもあることが分かりました。
被ばくの影響については、専門医療機関で相談してほしいとのことでした。
お話は、鹿児島県医師会の加治屋芳樹(かじやよしき)ドクターでした。
ありがとうございました。

加治屋芳樹Dr: ありがとうございました。