2013.6.22 第529回放送分『放射線治療』 ゲスト:加治屋芳樹ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークのテーマは「放射線治療」です。
お話は、鹿児島県医師会の加治屋芳樹(かじやよしき)ドクターです。
加治屋さん、今週もよろしくお願いいたします。

加治屋芳樹Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、放射線治療の方法について詳しく伺いました。
今週は、放射線治療の緩和ケアへの利用についてお願いします。

加治屋芳樹Dr: はい。
まず、緩和ケアと言いますと、終末期医療、末期がんになってからの医療だと考えている方が多いかもしれませんが、それに限ってではありません。

二見いすず: はい。

加治屋芳樹Dr: 緩和ケアとは、病気による辛い痛みを治療やケアでコントロールしながら、体と心を穏やかに保ちながら、クオリティーオブライフ、つまり、ご自分らしい生き生きとした生活の質を保つためのケアのことだと思います。
もちろん、初期の癌の方も活用していっていただきたいと思っています。

二見いすず: なるほど。
では、その緩和ケアに、放射線治療はどのようにかかわってくるのでしょうか。

加治屋芳樹Dr: はい。
放射線治療は、癌の局所に外部から放射線を当てる治療ですので、痛みも軽度であることから、緩和ケアにも適しているのです。

二見いすず: なるほど。

加治屋芳樹Dr: 放射線治療は、臓器の切除による暮らし方の変化や、美容上などの外見の変化が伴わないケースが多いので、痛みの負担を軽減しながら、治療を続け、それまでの暮らしを続けることも可能なのです。

二見いすず: なるほど、よくわかりました。

加治屋芳樹Dr: また、完治が難しい末期がんの医療についても、放射線治療が緩和ケアとして役立つ場合があります。

二見いすず: はい。

加治屋芳樹Dr: たとえば、骨の転移の痛み、脳転移の治療、出血の防止、気管のケア、咳、むくみの対処などにも幅広く活用できます。

二見いすず: なるほど。
さまざまながんの症状に対して、放射線治療を活用できるのですね。

加治屋芳樹Dr: その通りです。
ほかの癌治療に耐える体力のない方や合併症のある方などにも、放射線治療は有効だと思います。
ただし、いずれの場合も、患者様の状態やご要望などを考えて、薬物治療、外科治療など、さまざまな医療と適切に組み合わせて治療を行うことがのぞましいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
放射線治療は、癌の局所に外部から放射線を当てる治療ですので、痛みも軽度であることから、緩和ケアにも適していることがわかりました。
もし癌と向き合うことがありましたら、薬物治療や外科治療と放射線治療を組み合わせながら、適切な治療を受けていただきたいと思いました。
お話は、鹿児島県医師会の加治屋芳樹(かじやよしき)ドクターでした。
ありがとうございました。

加治屋芳樹Dr: ありがとうございました。