2013.8.3 第535回放送分『熱中症』 ゲスト:吉原秀明ドクター



二見いすず: 8月に入りました。
今月のドクタートークは、5週にわたり、「熱中症」について鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターにうかがいます。
吉原さん、よろしくお願いいたします。

吉原秀明Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 夏休みも本番。
まだまだ暑い日々が続いていますが、やはり熱中症は、多くなるのでしょうか。

吉原秀明Dr: はい。
7月も多かったですが、8月も多くなるでしょうね。

二見いすず: なるほど。
そもそも熱中症は、なぜ起こるのでしょうか。

吉原秀明Dr: はい。
熱中症は、気温の変化などで体内の温度が上昇し、その温度変化に対応しようとして、体の体温調節機能が働いた結果、脱水症になってしまったり、体温調節が十分で行われなくなったりする適応障害のことを言います。

二見いすず: なるほど。
たとえば、暑い日に炎天下に長時間いたり、室温の高い部屋に長くいたりすることで体内の温度が上がってしまうことをいうのでしょうか。

吉原秀明Dr: そうですね。
人間の体には、もともと体温を一定に保とうとする働きがあります。
外気温の影響や室温が高くて体温が上がると、皮膚の血流を増やして体表面から熱を放出したり、汗が蒸発するときの気化熱を利用したりして体温を下げようとします。

二見いすず: はい。

吉原秀明Dr: しかし、気温が体温より高いときは、皮膚からの放熱は難しくなります。
そうなると、汗が蒸発する気化熱で体温を下げようとしますが、湿度が高いと、汗がダラダラ流れるだけで、気化しないので、体温が下がらないということもあります。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。

吉原秀明Dr: また、体温が上がると、体の中では血管が拡張することで皮膚の血流を増加させ、体の表面から放熱で体温を下げようとしますが、発汗で体の水分量が足りなくなっていると、血管の拡張が不十分になり、体温調節機能がうまくいかず、体温がさらに上がってしまいます。

二見いすず: なるほど。
熱中症は、体が体温を下げようとして、汗を出したり、血管を拡張させるもののうまくいかず、体温がさらに上がってしまって起こるというわけですね。
よく分かりました。
では、熱中症は、具体的にどんな症状が起こるのでしょうか。

吉原秀明Dr: はい。
熱中症の症状としては、大きく分けて3段階あります。

二見いすず: 熱中症にも段階があるのですね。

吉原秀明Dr: そうなんです。
比較的軽いものは、立ちくらみ、汗が増えるなどで済みますが、次の段階では自分で水分を補給できなくなり、重いものになると、意識障害がおこって命に関わることもあるのです。

二見いすず: 熱中症で、そういった深刻な状態に陥ることもあるのですね。
次週も引き続き、「熱中症」についてうかがいます。
お話は、鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターでした。
ありがとうございました。

吉原秀明Dr: ありがとうございました。