2013.8.10 第536回放送分『熱中症』 ゲスト:吉原秀明ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「熱中症」について鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターにうかがっています。
吉原さん、今週もよろしくお願いいたします。

吉原秀明Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週は、熱中症の症状について、より詳しくお願いします。

吉原秀明Dr: はい。
まず、軽い熱中症では、発汗による水分不足、塩分不足が原因となって、立ちくらみ、汗が増える、筋肉がひきつる、こむら返りがおきる、足がつる、というような症状が起きます。

二見いすず: はい。

吉原秀明Dr: 次の段階にいきますと、脱水症状の進行で頭痛、吐き気、嘔吐、強い倦怠感を感じたりします。
また、自分では水分をとったり、食べ物をとったりできなくなってきます。

二見いすず: そうなんですね。

吉原秀明Dr: そして、それが進みますと、40度を越える高熱が出て、意識がもうろうとしてきます。
高熱のため脳の体温調節機能も働かなくなるため、汗が出なくなって皮膚が乾いてきます。
この段階になって手遅れになると最悪の場合は、命に関わることもあります。

二見いすず: 命に関わることがあるとは…。熱中症は十分に気をつけなければなりませんね。
では、この3つの段階に応じた熱中症の対処法についてお願いします。

吉原秀明Dr: はい。
まず、軽い段階ですと、立ちくらみ、こむら返り、足がつる、汗が増えるなどの症状が出ます。
この時点で、本人が自分で水分をとることができれば、涼しく風通しのいい場所で安静にして水分と塩分を補給するという対処をして様子を見てください。

二見いすず: わかりました。
ほかにできることはありますか?

吉原秀明Dr: はい。
この段階では衣服をゆるめたり、通気性の悪い衣服を脱いでいただければ、十分なことが多いのです。
しかし、体温が高いと感じられる場合は、水に濡らしたタオルを腋の下や足の付け根、首にあてて体を冷やすと効果的です。
また不安な場合は、医療機関で診察してもらうといいと思います。

二見いすず: わかりました。

吉原秀明Dr: 次の段階の状態ですが、脱水症状の進行で、頭痛、吐き気、嘔吐、強い倦怠感を感じたりします。
軽い段階と区別するためのチェックポイントは、気分が悪くなっていて自分では水分や塩分をとることができなくなっているということです。

二見いすず: なるほど。
自分では水分や塩分が補給できないというのが、第一段階と第二段階の違いですね。

吉原秀明Dr: その通りです。
熱中症の原因の一つは、体の水分不足ですが、自分で水を飲めない状態というのは、自分で脱水を解消することができないという状態なので、つまり、医療機関を受診して、点滴で対処することが必要になります。

二見いすず: なるほど。
自分で水分がとれない状態になったら、医療機関へということですね。
よくわかりました。
来週も引き続き「熱中症」について伺ってまいります。
お話は、鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターでした。
ありがとうございました。

吉原秀明Dr: ありがとうございました。