2013.8.31 第539回放送分『熱中症』 ゲスト:吉原秀明ドクター


二見いすず: ドクタートークは「熱中症」について鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターにうかがっています。
吉原さん、今週もよろしくお願いいたします。

吉原秀明Dr: よろしくお願いいたします。
これまで4週にわたり、熱中症が起こる仕組みと症状、そして症状に合わせた対処法についてのお話をさせていただきました。
最終日の今日は、特に注意していただきたい高齢者と熱中症についてお話させていただきたいと思います。

二見いすず: ぜひお願いします。

吉原秀明Dr: はい。
ご高齢の方の熱中症は、室内でよく起こります。

二見いすず: 室内ですか。

吉原秀明Dr: そうなんです。
ご高齢の方は、加齢により、体が暑さを感じにくくなっているという事情があります。
また、汗をかくなどの体温調節機能も低下してきますので、暑い部屋の中にいて、知らず知らずのうちに熱中症になってしまったというケースがあるのです。

二見いすず: なるほど。
ご年配の方は、暑さを感じにくく、体温調整能力も低下してくるので、室内でも熱中症になりやすいのですね。

吉原秀明Dr: そうなんです。
ですから、高齢者の熱中症を防ぐためには、周囲の方の配慮がとても大切になってきます。

二見いすず: たとえば、どのようなことを心掛けるといいのでしょうか。

吉原秀明Dr: はい。
ご家族が同居されている場合は、高齢者の方がおられる部屋の室温をこまめに確認していただくことが大切だと思います。

二見いすず: はい。

吉原秀明Dr: 室温が高くなりすぎていないか、水分・塩分をちゃんと補給しているかを、ご家族の方が気を付けていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。

吉原秀明Dr: また、一人暮らしをされている高齢者の方については、ご家族やご近所などの周囲の方々が、「エアコンをちゃんとつけてね」とか「水分や塩分をこまめにとるといいよ」と熱中症についての注意を促していただくといいと思います。

二見いすず: 声掛けが大切ですね。

吉原秀明Dr: そうですね。
お一人暮らしの高齢者の方で、熱中症のために意識障害となり、発見が遅れてしまったために、命を落とされる例も少なくありません。
そういったいたましい事故を無くすためにも、高齢者と熱中症の問題を知り、周囲ができるだけこまめにケアや声掛けをしていくことがとても大切だと思います。

二見いすず: よくわかりました。
本日は、高齢者と熱中症についてお話をうかがってきました。
熱中症について、高齢者の方への声掛けはもちろん、お互いに注意し合っていきたいと思います。
お話は、鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターでした。
5週にわたり、貴重なお話をありがとうございました。

吉原秀明Dr: ありがとうございました。