2013.10.12 第545回放送分 『乳がん』 ゲスト:金子朋代ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、10月が鹿児島県ピンクリボン月間であることにちなみ、「乳がん」についてお送りします。
お話は、鹿児島県医師会の金子朋代(かねこともよ)ドクターです。
今週もよろしくお願いいたします。

金子朋代Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、乳がんは、早期発見すれば命が助かる確率が高い病気であり、正しい知識を持ち、定期的に検診を受けることがとても大切だと伺いました。

金子朋代Dr: その通りです。

二見いすず: 今週は、まず乳がんについての正しい知識をもつために、この病気について詳しくお願いします。

金子朋代Dr: はい。
乳がんは、乳腺組織に発生したがんのことです。
乳腺組織の一部の細胞の遺伝子が、さまざまな要因を積み重ねて、悪性腫瘍となってしまったものです。

二見いすず: はい。

金子朋代Dr: 乳がんはしこりで発見されることもありますが、これはある程度がんが進行した状態になっていることを意味します。
乳がんの中で非浸潤がんというがんがあるのですが、これは乳管内に留まっているがんで、自分ではしこりなどは感じられないため、症状はなかなか自覚できないと思います。

二見いすず: はい。

金子朋代Dr: また、非浸潤がんに対して、浸潤がんがあり、これは、乳管の組織をやぶってがん細胞が外に出てしまっているものを言います。

二見いすず: なるほど。
乳がんにもいろいろな状態があるということ。
また、しこりとして自覚する前の段階の小さながんのときは、自己検診では発見しづらいということがわかりました。

金子朋代Dr: そうですね。
また、しこり以外の乳がんの症状としては、乳頭から出血する症状、乳頭が変形する症状、皮膚がへこむ症状、果物のオレンジの皮のように毛穴が目立つ症状、また、わきの下のリンパがはれる症状などがあります。

二見いすず: よくわかりました。
さまざまなサインがあるのですね。
万が一自覚症状がありましたらすぐに医療機関へご相談されてください。

金子朋代Dr: そうですね。

二見いすず: 乳がんにはさまざまなサインがあるということですが、一方で初期段階ではなかなか自覚症状がなく、自己発見が難しいということで、やはり定期的な検診が大切になってくるのですね。

金子朋代Dr: そうですね。
鹿児島県の40歳以上の女性の方を対象に、各市町村で2年に1回、乳がん検診を実施しています。

二見いすず: それは心強いですね。
ぜひご活用いただきたいと思います。

金子朋代Dr: そうですね。
乳がんは実は日本人女性の15人に1人がかかるという病気です。
他人事ではありませんので、ぜひ一人でも多くの方に検診を受けていただき、命を守っていただきたいと思います。

二見いすず: そうですね。
ピンクリボン月間の今月、ご自身と乳がんについて見つめ直していただきたいと思います。
来週は検診の内容について詳しくお話をうかがいます。
ありがとうございました。

金子朋代Dr: ありがとうございました。