2014.2.1 第561回放送分 『ドクターヘリ』 ゲスト:吉原秀明ドクター



二見いすず: 2月になりました。
今月のドクタートークは、「ドクターヘリ」について鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターにお話を伺っていきます。
吉原さん、よろしくお願いいたします。

吉原秀明Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今月のテーマは「ドクターヘリ」についてです。
吉原ドクターもフライトドクターとして活動していらっしゃいますが、あらためて「ドクターヘリ」とは、どういったものなのか教えていただけますか。

吉原秀明Dr: はい。
ドクターヘリとは、重症で救急の患者に対応できる救急専用のヘリコプターで、医療機器を装備し、医薬品を搭載しています。
ドクターヘリの出動要請があれば、特別な研修を受けたフライトドクターとフライトナースが搭乗して、現場に駆けつけます。

二見いすず: なるほど。
ドクターヘリがあれば、重症に苦しむ患者さんのもとへドクターやナースが駆けつけてくださり、いち早く診断、医療行為をしていただくことができるのですね。
鹿児島県土は、離島を含めて、広域に広がっていますから、こういった体制がありますと、大変心強いですね。

吉原秀明Dr: そうですね。
ドクターヘリでは、フライト中の診断・治療については、一刻を争う救命、薬剤投与などを行うことができます。
長距離搬送の場合は、ヘリでの時間短縮や医療開始の迅速化というメリットがあると思います。
県内の現場への到着時間は119番通報から平均で25分という数字が出ています。

二見いすず: それはすごいですね。
多くの方の命を守るために意義のあるシステムですね。
ドクターヘリはスタートしてどのくらいですか。

吉原秀明Dr: はい。
平成23年12月から、鹿児島市立病院救命救急センターを基地病院としてスタートし、約2年が経ちました。
消防機関、地域の医療機関、行政、ヘリコプターの運航管理者など、多くの方々のご協力があり、成果を上げてきています。

二見いすず: 実績はどのくらいでしょうか。

吉原秀明Dr: はい。
平成24年は591件の実動があり、その中で、約3割が救命効果、後遺障害の軽減効果があり、約8〜9割の事例でも何がしかの効果が認められています。

二見いすず: たくさんの方々の命や健康が守られているのですね。

吉原秀明Dr: はい。
救命の成果が認められることは喜ばしいことです。
さらに、一つひとつの事例について、第三者機関と共に検証を重ね、より精度の高いシステム作りへの努力も行っています。

二見いすず: そうなんですね。
大変心強いです。

吉原秀明Dr: ドクターヘリによって、病院で待つだけの“守りの救急医療”から現場へ救急のスペシャリストを送る“攻めの救急医療”へと変化し、鹿児島の救急医療も変わってきていると思います。

二見いすず: よく分かりました。
お話は鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターでした。
ありがとうございました。

吉原秀明Dr: ありがとうございました。