2014.2.8 第562回放送分 『ドクターヘリ』 ゲスト:吉原秀明ドクター



二見いすず: 今回のドクタートークは、前回にひき続き「ドクターヘリ」について鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターにお話を伺っています。
吉原さん、今日もよろしくお願いいたします。

吉原秀明Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今回はドクターヘリがどのようなときに出動するのかお聞きしたいと思います。
ドクターヘリは救急車と同じくいつでも出動してくださるのでしょうか。

吉原秀明Dr: ドクターヘリの出動はヘリコプターでの移動になりますので、午前8時30分から日没前の時間帯になります。
また悪天候で視界不良の時は、出動できない場合もあります。

二見いすず: なるほど。
では、ドクターヘリは私たちも出動要請ができるのですか?

吉原秀明Dr: いいえ。
ドクターヘリは一般の方は直接要請することはできません。
通常、重症傷病者が発生した場合、119番通報をして救急車を呼ぶと思いますが、その際、その内容によって消防通信員がドクターヘリの要請基準に基づき、出動要請をすることになります。

二見いすず: 例えば、どのような場合に出動要請がかかるのでしょうか?

吉原秀明Dr: はい。
命に関わる、あるいは後遺症が強く残る可能性があるような事例が発生した場合が一番の適応となります。

二見いすず: はい。

吉原秀明Dr: その際、ドクターヘリの要請の判断にばらつきがないように鹿児島県では要請基準を設けています。
それが “キーワード方式”です。

二見いすず: “キーワード方式”とはどのようなものなのでしょうか?

吉原秀明Dr: はい。
例えば、119番通報内容に“車が横転した”とか“急に倒れた”などの言葉、すなわちキーワードとなる言葉が含まれていた場合には自動的に出動要請をかけるシステムです。

二見いすず: そのキーワードによって判断が迅速になり、一刻を争う現場にスピーディーに駆けつけることができるのですね。

吉原秀明Dr: その通りです。
一方で、119番への通報内容だけで重症度・緊急度を完璧に判断するのが難しい場合もあり、出動したけれども結果として軽症だったという例もあります。
現在は、その一例一例を大切に検証し、“キーワード方式”の精度をあげていく努力もしています。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。
来週もひき続きドクターヘリについてお話を伺います。
お話は鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターでした。
ありがとうございました。

吉原秀明Dr: ありがとうございました。