2014.2.15 第563回放送分 『ドクターヘリ』 ゲスト:吉原秀明ドクター



二見いすず: 今回のドクタートークは、前回にひき続き「ドクターヘリ」について鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターにお話を伺います。
吉原さん、今日もよろしくお願いいたします。

吉原秀明Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 救急医療で活躍しているドクターヘリですが、特に、鹿児島県の特徴であります離島医療、また、へき地医療においてどのような成果が出ていますか。

吉原秀明Dr: はい。
ドクターヘリの登場によって、地域の医療体制が充実していない場合でも、症状に適した医療機関を広域から選定でき、搬送中に診断・治療を行いながら、短時間で医療機関へ運ぶことができるようになりました。

二見いすず: 素晴らしいことですね。
やはり、鹿児島県でも、地域によって、医療体制の状況が異なるということは、事実ですよね。

吉原秀明Dr: そうですね。
例えば、へき地になりますと、一人のドクターで地域医療を担っている場合もあります。
救急時にそのドクターがかかりきりになった場合、別な案件が発生したら対応できなくなってしまいます。
しかし、そういった場合、ドクターヘリが出動すれば、その問題が解決されます。

二見いすず: なるほど。
救急で運ばれる患者さんはもちろん、その他の地域住民の方々の命を守る、という意味でも意義があるのですね。

吉原秀明Dr: その通りです。
特に、離島やへき地における産科・周産期救急事例などではドクターヘリが大きな力を発揮しています。

二見いすず: なるほど。
ドクターヘリは、地域の医療格差の問題解消や地域支援にもつながっているのですね。

吉原秀明Dr: そうですね。

二見いすず: では、ドクターヘリの搬送先は、鹿児島県内だけなのでしょうか?

吉原秀明Dr: いいえ。
その限りではありません。
搬送先は、症状に合わせて診療対応可能な医療機関を選定しますが、その際に、搬送後の入院、通院時のご本人・ご家族の方の負担も考え選定します。
例えば、県境の近くにお住まいだった場合、他県へ搬送する場合もあります。
そのため、他県との連携にも取り組んでいます。

二見いすず: なるほど。
搬送先について、看病されるご家族への配慮までなされているとは、驚きました。
また、他県との連携にも取り組んでいかれるとのことで、とても心強いです。

吉原秀明Dr: 九州では全県でドクターヘリシステムが導入されました。
これからさらに連携・協力体制の整備を進めていきたいと思います。
また、県内、県外に関わらず、救急搬送において、より迅速で的確な判断をするためには、かかりつけの病院での過去の情報や地域医療の情報が重要になります。
さらなる情報の共有化も大きな課題です。

二見いすず: よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターでした。
ありがとうございました。

吉原秀明Dr: ありがとうございました。