2014.4.5 第570回放送分 『ノロウィルス』 ゲスト:山元公恵ドクター



二見いすず: ドクタートークは、2週にわたって「ノロウイルス」について鹿児島県医師会の山元公恵(やまもときみえ)ドクターにお話を伺います。
山元さん、よろしくお願いいたします。

山元公恵Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今回のテーマ「ノロウイルス」ですが、冬場にかけてノロウイルスに関するニュースを耳にすることが多かったように思います。

山元公恵Dr: そうですね。
毎年、冬に流行ることが多いのですが、実は一年を通して発生する可能性があるので、今の時期も注意が必要でしょう。

二見いすず: そうなんですね。
では、改めてノロウイルスについて詳しく教えていただけますか?

山元公恵Dr: はい。
ノロウイルスとは非常に小さなウイルスですが、わずかなウイルスの量で多くの人に感染する力があります。
そのウイルスのついた食べ物を口にしたり、またウイルスを吸い込んだり、人の手を介して体に入り込み症状を引き起こします。
潜伏期は12時間から48時間くらいです。

二見いすず: ウイルスが体の中に入り込み、感染するとどのような症状がでるのでしょうか?

山元公恵Dr: 主に、突然強烈なおう吐が起きることが特徴で、吐き気、下痢、腹痛などの症状が見られます。
これらの症状が1〜2日続いた後、症状はだんだん治まっていきます。

二見いすず: 急なおう吐や下痢などの症状がでると体も辛いですよね。
早くその症状を止めたくなります。
症状がでた時は薬を服用してもよいのでしょうか?

山元公恵Dr: ノロウイルスを含めたウイルス性腸炎の場合は、ウイルスを外に出すためには、下痢を止める必要はあまりありません。
腹痛、下痢がひどいと下痢止めを服用したくなると思いますが、薬を服用する場合はご自分で判断せず、医師に相談してください。

二見いすず: よくわかりました。
では、ノロウイルスに感染したときはどのように対処したらよいのでしょうか。

山元公恵Dr: はい。
ノロウイルスで下痢やおう吐が続くと、体の中の水分も一緒に外に出てしまうので脱水症状を起こしやすくなります。
そこで、水分補給が大切なのですが、電解質を含む水分補給が必要なので、吐き気の様子を見ながら少しずつ、そして回数を多く、摂取するようにしてください。

二見いすず: よくわかりました。

山元公恵Dr: また、小さいお子さんの場合は、スプーンで少しずつ流しこんであげてください。
無理に飲ませようとせず、どうしても水分を受け付けないときは早めに受診してください。

二見いすず: よくわかりました。
来週もノロウイルスについてお話を伺います。
鹿児島県医師会の山元公恵(やまもときみえ)ドクターでした。
ありがとうございました。

山元公恵Dr: ありがとうございました。