2014.5.10 第575回放送分 『発達障がい』 ゲスト:外岡資朗ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「発達障がい」について鹿児島県医師会 外岡資朗(とのおかしろう)ドクターにお話を伺っています。
外岡さん、今週もよろしくお願いいたします。

外岡資朗Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、「発達障がい」について、自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障がい、学習障害、注意欠如多動性障がいなどのことを言い、これは病気ではなく、発達の偏りで、それによって日常生活や社会生活に制限が出るということを伺いました。

外岡資朗Dr: はい。
その通りです。

二見いすず: では、今週はそれぞれの障がいについて詳しくお願いします。

外岡資朗Dr: はい。
では、まず自閉症についてですが、自分の興味がある事柄については驚くほど知っているにも関わらず、よく用いられる言葉は知らなかったり、集団に適応することが苦手であったり、知識はあっても言葉にしてやりとりしたり、表情やジェスチャーによるコミュニケーションが苦手であったり、強いこだわりがあったりします。
知的な遅れがある場合と、ない場合もあります。

二見いすず: なるほど。

外岡資朗Dr: 自閉症の方は、見通しを持たせる工夫をすることで安心して物事に取り組めますし、「走ったらだめ」を「歩こうね」のように、出来るだけ肯定的な言い方にするだけで指示が通りやすくなります。
また、共感してあげたり、望ましく無い行動に対しては、その行動の原因を考え、出来るだけ穏やかに望ましい行動を具体的に伝えてあげることが大切です。
早期から、このような関わりを行い、丁寧な保育の中で人との関わりを経験させることで発達を促進したり、社会適応を改善させられるだけで無く、ご家族の負担も軽減させることが出来ます。

二見いすず: よくわかりました。
では次に、学習障がいについて教えてください。

外岡資朗Dr: はい。
学習障がいは、基本的に全般的な知的発達に遅れはないですが、聞く、話す、読む、書く、計算する、または推論する能力のうち、いずれかに著しい困難を示す状態のことを言います。

二見いすず: なるほど。

外岡資朗Dr: 特に、読み書きに困難のあるお子さんは、読んであげたり、書く量を減らしてあげるなどの工夫をすることで学習への抵抗感を減らすことが出来ます。
学習障害は、本人は頑張っているのに、やる気が無いと思われてしまい、本人の学習意欲自体を無くしてしまうこともあります。
音読、ノート書きなど特定の課題ができない場合は、学校の先生に相談し、早めに困難さに気づいてあげることが大切です。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会の外岡資朗(とのおかしろう)ドクターでした。
ありがとうございました。

外岡資朗Dr: ありがとうございました。