2014.5.17 第576回放送分 『発達障がい』 ゲスト:外岡資朗ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「発達障がい」について鹿児島県医師会 外岡資朗(とのおかしろう)ドクターにお話を伺っています。
外岡さん、今週もよろしくお願いいたします。

外岡資朗Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、「発達障がい」の自閉症、学習障害について詳しく伺いました。
今週は、注意欠如多動性障がいについてお願いします。

外岡資朗Dr: はい。
注意欠如多動性障がいは、年齢や発達に不釣り合いな不注意さや多動性、衝動性を特徴とする発達障がいで、日常活動や学習に支障をきたす状態を言います。

二見いすず: 不注意、多動性、衝動性とは、具体的に言うと、どういったことでしょうか。

外岡資朗Dr: はい。
不注意とは、集中力が続かない、気が散りやすい、忘れっぽいなど。多動性とは、じっとしているのが苦手で落ち着きがない、衝動性とは思いついた行動について、行ってもよいか考える前に実行してしまうという特性です。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。

外岡資朗Dr: はい。
これらの行動が、学校と家庭など複数の場面で問題になる場合に、注意欠如多動性障がいと診断されます。

二見いすず: 先ほどうかがった、不注意、多動性、衝動性などは、小さい子どもだったら誰でも当てはまりそうな気もするのですが…。

外岡資朗Dr: はい。
おっしゃる通りです。
年齢に比して明らかにこの傾向が強い場合でも、周囲の人からは障がいという認識を持ってもらえず、「乱暴者、悪い子、しつけのできていない子」というような否定的な評価を受けてしまうことにつながります。

二見いすず: なるほど。
保護者も「育て方が悪い」と誤解されそうですね。

外岡資朗Dr: その通りです。
しかし、注意欠如多動性障がいは、脳の機能障がいですから、親の育て方やしつけによるものではなく、また、本人の努力が足りないわけでもありません。

二見いすず: よくわかりました。

外岡資朗Dr: このような特性から、うまくいかない、良く怒られるなど否定的な評価を受けやすくなり、自己肯定感を感じにくく、自信を持てない傾向にあります。
その子の出来ていることに気づいてあげ肯定的な声かけをすることが大切です。
最近は注意欠如多動性障害に対する薬物療法も行われることがあります。

二見いすず: はい。

外岡資朗Dr: だからこそ、発達障がいは、正しい知識を持ち、適切な対応をすることがとても大切なのです。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。
お話は鹿児島医師会の外岡資朗(とのおかしろう)ドクターでした。
ありがとうございました。

外岡資朗Dr: ありがとうございました。