2014.5.24 第577回放送分 『発達障がい』 ゲスト:外岡資朗ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「発達障がい」について鹿児島県医師会 外岡資朗(とのおかしろう)ドクターにお話を伺っています。
外岡さん、今週もよろしくお願いいたします。

外岡資朗Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週まで、発達障がいの詳しい症状について伺ってきました。
今週は、対応方法についてお聞きしたいと思います。
まずは発達障害の原因はわかっているのですか。

外岡資朗Dr: はい、直接的な原因は、はっきり特定されていませんが、神経系の問題、伝達物質の問題、遺伝子などが関与していると考えられています。

二見いすず: 原因は特定されていないんですね…。
それでは、治療法はあるのでしょうか。

外岡資朗Dr: うつなどの合併症に対する治療はありますが、基本的には、それぞれの特徴に応じた適切な「支援」により、社会生活上の困難を軽減してゆくことが大切です。

二見いすず: 適切な「支援」により、社会生活上の困難が軽減される、とはどういうことでしょうか。

外岡資朗Dr: はい。
「支援」とは周囲の人が、その人の特徴を理解し、特徴に合わせた関わり方をしたりや環境を作ってあげることにより、本人の困り感を軽減することです。

二見いすず: たとえばどのようなことをしたらいいのでしょうか。

外岡資朗Dr: 言葉が十分に出ない場合は、言葉にこだわらずジェスチャーや絵などを使って意志を伝える手段を知ること、課題とは関係の無い見える物・聞こえる物の刺激を軽減する工夫、また、短い言葉で具体的に伝えたり、見てわかるように伝えるなど、さまざまな工夫ができると思います。

二見いすず: なるほど。
適応しやすい環境に整えたり、適した手段を用いると、発達障がいの方も過ごしやすくなるのですね。

外岡資朗Dr: そうですね。
まず本人の特性を周囲が理解して、本人の困難さを軽減出来る工夫をしたり、達成しやすい課題の工夫をすることで本人が認められたり褒められたりして自尊感情を高められるように配慮することが大切です。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。
障がいの特徴をよく理解し、適応しやすい環境を作るというのは大切なポイントのようです。
お話は鹿児島医師会の外岡資朗(とのおかしろう)ドクターでした。
ありがとうございました。

外岡資朗Dr: ありがとうございました。