2014.7.5 第583回放送分 『子宮がん』 ゲスト:波多江正紀ドクター



二見いすず: 7月に入りました。
ドクタートークは、「子宮がん」について鹿児島県医師会 波多江正紀(はたえまさゆき)ドクターにお話を伺います。
波多江さん、よろしくお願いいたします。

波多江正紀Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: ではまず、「子宮がん」について、あらためてどういう病気なのかお話いただけますでしょうか。

波多江正紀Dr: はい。
子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんという2つの病気があり、子宮の入り口あたりの子宮頚部にできるがんを子宮頸がん、子宮の上部にあたる子宮体部にできるがんを子宮体がんと言います。

二見いすず: なるほど、子宮頸がんと子宮体がんですね。
それぞれ、原因や症状などは違うのでしょうか。

波多江正紀Dr: 子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルスの感染が原因だと言われています。
この感染は、性行為による感染が主だとされています。
発症は40代がピークとなりますが、最近、30歳前後の妊娠出産世代の方の発症が増えています。

二見いすず: なるほど。
では、子宮体がんの原因は何でしょうか。

波多江正紀Dr: はい。
子宮体がんの原因は、ホルモンに依存しています。
エストロゲンという女性ホルモンが、発症に関係すると考えられています。
発症は50歳をピークとしますが、最近急速に増えています。

二見いすず: なるほど。
では、症状はどのようなものがありますか。

波多江正紀Dr: はい。
子宮頸がんの場合は、初期ですと自覚症状が感じにくく、出血という症状が出たときには、がんがかなり進行している可能性があります。

二見いすず: なるほど。

波多江正紀Dr: 子宮体がんの場合は、初期でも不正出血が症状として出る場合がほとんどです。
特に閉経以降の出血という形で発見されることも多いと思います。

二見いすず: わかりました。
特に子宮頸がんは、出血があったときには、進行していることも多いということで、早期発見するためにはやはり検診でしょうか。

波多江正紀Dr: その通りです。
検診を受ければ、前癌状態で発見され、非常に治療しやすいのですが、日本は、世界の先進国に比べて検診率がとても低いという現実があります。
子宮がんは早期発見・早期治療がとても大切です。
自覚症状が出にくいことを知り、検診を心掛けていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
来週は検診について詳しく伺います。
お話は鹿児島県医師会 波多江正紀(はたえまさゆき)ドクターでした。
ありがとうございました。

波多江正紀Dr: ありがとうございました。