2014.7.12 第584回放送分 『子宮がん』 ゲスト:波多江正紀ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「子宮がん」について鹿児島県医師会 波多江正紀(はたえまさゆき)ドクターにお話を伺っています。
波多江さん、今週もよろしくお願いいたします。

波多江正紀Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、子宮がんは、早期発見・早期治療が大切だと伺いました。
そのためにも、検診を心掛けることが重要ということでしたね。

波多江正紀Dr: そうですね。
残念ながら、日本は、検診の意識が低く、平成20年の「国民生活基礎調査」によりますと、子宮がんの検診率は35%です。

二見いすず: そうですか…。

波多江正紀Dr: はい。
子宮頸がん検診を例にしますと、アメリカが88%以上、イギリスも85%以上の検診率ですから、どのくらい日本が遅れているかお分かりいただけると思います。

二見いすず: それは驚きました。

波多江正紀Dr: 子宮頸がんは初期には自覚症状がない場合が多いので、検診で早期に発見することが重要になりますが、定期検査を続けていれば、80%が癌になる前の、前がん状態でみつかります。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。
では、子宮頸がん検診はどのように行われるのでしょうか。

波多江正紀Dr: はい。
子宮頚部の表面の細胞を専用のブラシでこすって採取して調べます。

二見いすず: なるほど。
早期発見のためには、心掛けたいですね。

波多江正紀Dr: そうですね。
そして、検診について、最近の新しい情報がありますので、ぜひお伝えしたいと思います。

二見いすず: はい。

波多江正紀Dr: HPVテストという検査を、子宮頸がん検診と併用して行う方法が推奨されているのです。

二見いすず: HPVテストとはどういったものでしょうか。

波多江正紀Dr: 子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスの感染を調べるものです。
細胞の異常を調べると共に、感染しているかどうかを調べることで子宮頸がんのみならず前がん状態の発見率が非常に高くなります。
両方の検査が陰性の方は90%以上を占めるのですが、3〜5年間は前癌状態へ進むことすら1%もありません。

二見いすず: なるほど。
検査はどのようにされるのでしょうか。

波多江正紀Dr: 子宮頸がん検診時に採取した細胞で調べますので、体の負担は同じです。
併用検査をすることで、検診の精度が高まり、次の検診への間隔を長くすることができます。
ただし、ご自分で医療機関に申請が必要で現時点では自費診療となります。

二見いすず: よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会 波多江正紀(はたえまさゆき)ドクターでした。
ありがとうございました。

波多江正紀Dr: ありがとうございました。