2014.7.19 第585回放送分 『子宮がん』 ゲスト:波多江正紀ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「子宮がん」について鹿児島県医師会 波多江正紀(はたえまさゆき)ドクターにお話を伺っています。
波多江さん、今週もよろしくお願いいたします。

波多江正紀Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、子宮頸がん検診を受けることの大切さと、HPVテストという、ウイルスの感染検査を受けることで、より発見率が高まることをお話いただきました。

波多江正紀Dr: そうですね。
細胞診検査とHPVテストを一緒に受けることで、前癌状態と早期癌の発見率を高めることはもちろん、次の検診への間隔も長くなります。
ただし、ご自分で申請が必要で、費用も自己負担になりますので、医療機関へお問い合わせください。

二見いすず: よくわかりました。
では、予防について伺いたいのですが、子宮頸がんには、予防接種があるそうですね。

波多江正紀Dr: そうですね。
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルスというウイルスに感染することが原因とされていますので、この感染をする前に予防接種を打つことで、子宮頸がんを予防できます。

二見いすず: ヒトパピローマウイルスに感染する前に接種する、というといつごろがいいのでしょうか。

波多江正紀Dr: はい。
ヒトパピローマウイルスは、主に性交渉で感染します。
つまり、性交渉を経験する前の年齢での接種が望ましいのです。

二見いすず: なるほど。

波多江正紀Dr: 現在、日本で推奨されている期間は、小学校6年生から高校1年生の間です。
その中でも若い子ほど効果が高くなります。
このウイルスは100種類以上あるのですが、ワクチンは、その中でもハイリスクとされるものを中心に作られていて、73%、つまり三分の二以上の発症を防ぐことができるとされています。

二見いすず: なるほど。
三分の二以上の発症を防ぐことができるのですね。

波多江正紀Dr: そうですね。
がんは命を脅かす病気ですが、予防ができるものは限られています。
その点、子宮頸がんだけは、ワクチンで原因から予防できる唯一のがんです。
これを利用しないのは非常にもったいないと私は考えています。

二見いすず: わかりました。
子宮頸がんワクチンでの副反応はどうでしょうか。

波多江正紀Dr: はい。
子宮頸がんワクチンの副反応がでる確率は、10万分の1、例えて言うなら30年間毎日飛行機に乗ったときに事故にあう確率と同じです。
つまり、その確率をとるか、子宮頸がんを予防する選択をするか、ということなのです。

二見いすず: よくわかりました。
副反応については、ご心配やご不安がおありの方もおられると思いますので、まずは医療機関へご相談されるのがいいですね。
来週も引き続き、子宮がんについて伺います。
お話は鹿児島県医師会 波多江正紀(はたえまさゆき)ドクターでした。
ありがとうございました。

波多江正紀Dr: ありがとうございました。