2014.10.11 第597回放送分 『予防接種・ワクチン』 ゲスト:西順一郎ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「予防接種・ワクチン」についてお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会 西順一郎(にしじゅんいちろう)ドクターです。
西さん、今週もよろしくお願いいたします。

西順一郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、「予防接種」について、定期接種はもちろん、任意接種も大切だと伺いましたが、今月から新たに定期接種になったワクチンがあるのだそうですね。

西順一郎Dr: はい。
この10月から、これまで任意接種だった水痘ワクチンと、高齢者の肺炎球菌ワクチンが定期接種になりました。

二見いすず: 今月から定期接種になったのは、水痘いわゆるみずぼうそうと、高齢者の肺炎球菌ワクチンですね。
ではまず、水痘ワクチンについて教えてください。

西順一郎Dr: はい。
水痘ワクチンの定期接種は、1歳から3歳未満、2歳までの乳幼児を対象としています。
標準的な接種方法としては、生後12カ月から15カ月に1回目の接種を行い、3カ月から6カ月の間隔を空けて、2回目の接種を行います。

二見いすず: なるほど。
1歳から3歳未満で2回の定期接種ですね。

西順一郎Dr: はい。
今のところ、3歳以上は定期接種の対象外なのですが、平成26年度つまり来年3月までに限り、3歳から5歳未満でまだ水痘ワクチンを受けたことのない幼児も1回だけ水痘ワクチンを定期接種として受けることができます。

二見いすず: それでは、すでに水痘にかかったことのあるお子さんは、水痘ワクチンの定期接種を受ける必要がありますでしょうか?

西順一郎Dr: 水痘に明らかにかかったことのある方は、すでに水痘に対する免疫を持っていますので、受ける必要はありません。

二見いすず: そうなんですね。
よく分かりました。
例えば、水ぼうそうはかかっても自然に治るので予防接種を受けなくてもいいのでは?という声も聞きます。
それはいかがでしょうか。

西順一郎Dr: 予防接種は、個人の健康を守るだけでなく、社会に感染症の流行が広がるのを防ぐ役割があるということを忘れないでほしいと思います。
水ぼうそうがうつると重症化してときには死亡する病気の子どもたちもいますので、他の人にひろげないためにも、ワクチンであらかじめ予防してほしいですね。

二見いすず: 分かりました。
一人ひとりの健康を守るだけでなく、社会に感染症を蔓延させないという意識を持つことも大切だということですね。

西順一郎Dr: その通りです。

二見いすず: よく分かりました。
今週はこの10月から定期接種となった水痘ワクチンについて伺いました。
お話は鹿児島県医師会 西順一郎(にしじゅんいちろう)ドクターでした。
ありがとうございました。

西順一郎Dr: ありがとうございました。