2014.10.25 第599回放送分 『予防接種・ワクチン』 ゲスト:西順一郎ドクター


二見いすず: ドクタートークは、「予防接種・ワクチン」について、鹿児島県医師会の西順一郎(にしじゅんいちろう)ドクターにお話を伺っています。
西さん、今週もよろしくお願いいたします。

西順一郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週は、予防接種に関して、最近気になる話題についてお話をお願いいたします。

西順一郎Dr: はい。
昨年は風疹の大きな流行がありましたが、今年は麻疹・はしかが全国的に流行しています。
鹿児島県における麻疹患者の届け出は、昨年はゼロでしたが、今年はすでに5件となっており、流行が心配です。

二見いすず: そうなんですね。

西順一郎Dr: 麻疹・風疹はMRワクチンという定期接種で予防できます。
1歳と小学校に入る就学前の2回接種します。
平成25年度の鹿児島県のMRワクチン接種率は、1歳の第1期は94.7%で全国28位でしたが、小学校入学前のお子さんが接種する第2期は88%と、残念ながら2年連続で全国最下位でした。

二見いすず: 全国最下位、それは非常に残念ですね…。

西順一郎Dr: はい。
麻疹・風疹は予防接種率が95%以上であれば、社会での流行を防げます。
1歳と小学校入学前のお子さんには、ぜひ早めの接種をおすすめします。

二見いすず: よく分かりました。
そのほかの予防接種に関してはいかがですか。

西順一郎Dr: 小児の髄膜炎の原因となるインフルエンザ菌b型、略してヒブと呼びますが、この細菌に対するヒブワクチンが平成20年から始まっています。
鹿児島市では全国に先駆けていち早く、費用の一部公費補助を開始し、県内各市町村にも公費補助の動きが広がりました。
その結果、鹿児島県における5歳未満のヒブによる重症感染症の患者は急激に減少し、定期接種になった平成25年からはゼロになっています。

二見いすず: ヒブワクチンは確かな効果をあげているということですね。

西順一郎Dr: その通りです。
また、任意接種ではありますが、ロタウイルスワクチンも大きな効果をあげています。
乳幼児の感染性胃腸炎を予防するワクチンで、生後2カ月から口から飲んで接種します。
鹿児島県のロタウイルスによる胃腸炎の入院患者数も今年は例年の5分の1と確実に減少しています。

二見いすず: 定期接種、任意接種にかかわらず、予防接種は年代に応じて、接種を検討したほうがいいものがいろいろあるのですね。

西順一郎Dr: そうですね。
ワクチンの利益と副反応を正しく比較した上で接種を検討し、病気をあらかじめ予防して健やかにお過ごしいただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会の西順一郎(にしじゅんいちろう)ドクターでした。

西順一郎Dr: ありがとうございました。