2014.12.13 第606回放送分 『眼の病気』 ゲスト:有村仁志ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「眼の病気」についてお送りしております。
お話は鹿児島県医師会の有村仁志(ありむらひとし)ドクターです。
有村さん、今週もよろしくお願いいたします。

有村仁志Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週はカラーコンタクトレンズについて、必ず眼科医の処方を受けてから購入してほしいというお話がありましたが、カラーコンタクトレンズによるトラブルにはどのようなものがあるのでしょうか。

有村仁志Dr: はい。
カラーコンタクトレンズにはたいへん多くの種類があり、中には性能や品質に問題があるものも見受けられます。

二見いすず: 具体的にどのような点が問題になっているのでしょうか。

有村仁志Dr: カラーコンタクトレンズは着色部分がレンズの外側もしくは内側に封入されています。
レンズによってはこの封入の精度に差があるようです。
中にはこすり洗いをするだけで、着色部分の色素がはみ出てきてしまう粗悪なものもあります。

二見いすず: それはひどいですね。

有村仁志Dr: はい。
色素が出ていると、眼がこすられてしまうため、角膜に傷が付きます。
そこから細菌やウイルスなどが入ると角膜炎になるのですが、カラーコンタクトレンズの場合、着色部分で隠れてしまうため充血に気付きにくく、気付かないうちにどんどん重症化してしまうというケースも見られます。

二見いすず: 重症化してしまうと、どのようなリスクがあるのでしょうか。

有村仁志Dr: 例えば、アカントアメーバという原虫に感染すると、角膜が炎症のため白濁し、最悪の場合は失明することもあります。
このアカントアメーバ角膜炎の感染者のうち90%以上がコンタクトレンズの使用者であることがわかっています。

二見いすず: コンタクトレンズのトラブルから、最悪の場合、失明することもあるのですね。
こわいです。
では、どのような症状が出たら、眼科医を受診すればいいのでしょうか。

有村仁志Dr: はい。
異物感、光がまぶしい、涙が出る、眼がしみるといった症状がある場合は、角膜に傷がついている可能性があります。
さらに充血があると、次のステージに進んでいて、炎症が起こりはじめます。

二見いすず: なるほど。
充血している場合は、すぐに眼科医を受診すべきですね。

有村仁志Dr: はい。
その通りです。
使用しているレンズの性能に問題がある場合は、レンズをより性能のいい眼にやさしいものに変える必要があります。

二見いすず: 角膜炎や結膜炎になっていた場合は、どのような治療を行うのでしょう。

有村仁志Dr: はい。
症状が軽い場合は、レンズを使用しながら目薬で治療します。
しかし、より重篤な場合は、レンズの使用を一時中止して、目薬と眼帯などを併用して治療を行います。

二見いすず: よく分かりました。
気になることがありましたら絶対に放置せず、眼科医を受診してください。
来週もカラーコンタクトレンズについてお話をお伺いします。
鹿児島県医師会 有村仁志(ありむらひとし)ドクターでした。
ありがとうございました。

有村仁志Dr: ありがとうございました。