2014.12.27 第608回放送分 『眼の病気』 ゲスト:有村仁志ドクター


二見いすず: ドクタートークは、「眼の病気」についてお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の有村仁志(ありむらひとし)ドクターです。
有村さん、よろしくお願いいたします。

有村仁志Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: これまで3週にわたり、カラーコンタクトレンズにまつわるトラブルについてお話を伺ってまいりましたが、ほかにも目の健康について気になる話題はあるのでしょうか。

有村仁志Dr: はい。
近年、パソコンやスマートフォンが広く普及していますが、画面に集中し過ぎると、ついついまばたきを忘れてしまい、ドライアイになっている方も多く見受けられます。

二見いすず: ドライアイとは、最近よく耳にしますが、どのような病気なのでしょうか。

有村仁志Dr: 涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって、眼の表面を潤す力が低下した状態をドライアイと呼びます。
現在、オフィスワーカーにおいては、3人に1人がドライアイという報告もあり、年々増加傾向にあります。

二見いすず: 3人に1人、多いですよね。
このドライアイの症状にはどんなものがあるのでしょうか。

有村仁志Dr: 眼の乾燥感だけでなく、異物感、まぶしさ、眼の痛み、疲れなど、さまざまな慢性的な不快感があります。

二見いすず: 眼がゴロゴロするとか、パサついたりするのは、ドライアイの症状かもしれませんね。

有村仁志Dr: はい。
そうですね。
パソコンに向かう時は、意識的にまばたきを増やしたり、定期的に目を閉じて休憩しましょう。

二見いすず: パソコンやスマートフォンの使用以外にも、ドライアイになりやすい要因はあるのでしょうか。

有村仁志Dr: カラーコンタクトレンズなど、ソフトコンタクトレンズの装用者には、ドライアイの割合が多いことが知られています。
また、乾燥した冬にドライアイが悪化する人は数多く見られます。
エアコンの吹き出し口など乾燥しているところも注意が必要です。

二見いすず: この季節は注意が必要ですね。
ではドライアイになってしまった場合の治療法はいかがでしょうか。

有村仁志Dr: はい。
症状を改善する治療は目薬で行います。
まず、涙液の代用剤があります。
そして角膜の保湿を行うヒアルロン酸。
さらに、涙の質をよくする目薬もあります。
ただドライアイが改善しても、もともと近視や乱視の方の視力が良くなるわけではありません。

二見いすず: では、ドライアイを予防する方法はありますか?

有村仁志Dr: 乾燥を防ぐために室内を加湿したり、パソコンやスマートフォンで眼を酷使しすぎないことが大切です。
パソコンなどのディスプレイは画面を下に見るような位置におくのもドライアイの対策のひとつです。

二見いすず: なるほど、よく分かりました。
寒くなり乾燥が気になるこの季節、眼を守るためにも、室内の加湿や保湿を心掛けたいですね。
今月は『眼の病気』についてお話をお伺いいたしました。
鹿児島県医師会 有村仁志(ありむらひとし)ドクターでした。
ありがとうございました。

有村仁志Dr: ありがとうございました。