2015.1.3 第609回放送分 『うつ病』 ゲスト:中村雅之ドクター



二見いすず: 2015年がスタートしました。
今月のドクタートークは、「うつ病」について鹿児島県医師会の中村雅之(なかむらまさゆき)ドクターにお話を伺います。
中村さん、よろしくお願いいたします。

中村雅之Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今月のテーマは「うつ病」ということですが、ラジオをお聞きの皆様も最近よく耳にする病気なのではないでしょうか。
何かショックなことがあったり、働きすぎて心が疲れてしまった方がかかってしまうというイメージがあるのですが、あらためてどういった病気なのか教えていただけますでしょうか。

中村雅之Dr: はい。
うつ病は気分の落ち込みが長く続き、体の不調を感じたり、日常生活に支障をきたしてしまう病気です。

二見いすず: 日常生活のさまざまなことをきっかけに、落ち込んでしまう。
そういったことは、誰でも経験がありそうですよね。

中村雅之Dr: はい。
うつ病の患者数は近年、増加傾向にあるといわれており、一説によると、10人に1人が生涯に1度はうつ病を経験するといわれています。

二見いすず: 10人に1人といえば、身近なところでうつ病を経験した方がいるかもしれませんね。

中村雅之Dr: はい。
うつ病は皆さんが考えている以上に、ごく一般的で、誰もがかかる可能性がある病気なのです。

二見いすず: うつ病というと、真面目で完璧主義な人がかかりやすいという印象もあります。

中村雅之Dr: うつ病にはさまざまなパターンがあり、必ずしも性格が原因で発症するわけではありませんが、周囲との調和や秩序を重んじる真面目な性格の方が心身のバランスを崩した時に発症する傾向があります。

二見いすず: そうなんですね。
なかにはうつ病の原因を「心が弱いから」だと考える人もいるようです。

中村雅之Dr: 心が弱いからうつ病になるわけではありません。
うつ病はその人の性格や、ものごとの考え方、日常生活、生活環境において発生したストレスなどが複雑に絡み合って引き起こされます。

二見いすず: いろんなことが複雑に絡み合って引き起こされてしまう病気なのですね。

中村雅之Dr: 例えば、引っ越しをした、職場で昇進した、子どもが独り立ちして子育ての役割を終えてしまったなど、環境の変化が引き金になり、うつ病を発症してしまうこともあります。

二見いすず: なるほど。
環境の変化も誰もが経験することですよね。

中村雅之Dr: はい。
一方で明らかなきっかけがなくても発症することもあります。
先ほどもお話しましたように、うつ病は誰もがかかる可能性のある病気だからこそ、すべての人がうつ病に対する知識を深め、正しく理解する必要があると考えています。

二見いすず: よく分かりました。
来週もうつ病について詳しくお話を伺ってまいります。
鹿児島県医師会 中村雅之(なかむらまさゆき)ドクターでした。
ありがとうございました。

中村雅之Dr: ありがとうございました。