2015.1.10 第610回放送分 『うつ病』 ゲスト:中村雅之ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「うつ病」について鹿児島県医師会の中村雅之(なかむらまさゆき)ドクターにお話をおうかがいします。
中村さん、今週もよろしくお願いいたします。

中村雅之Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週はうつ病は誰もがかかる可能性のある病気だと教えていただきましたが、今週はうつ病の症状についてお話をお願いします。

中村雅之Dr: はい。
うつ病の代表的な症状としては、抑うつ気分と興味関心の低下があげられます。
気分が落ち込む、何事にもやる気がわかないという精神症状に加えて、眠れない、食欲がないといった身体症状が伴うことも多いです。

二見いすず: うつ病になると、抑うつ気分や興味関心の低下、眠れない、食欲がないといった症状があらわれるのですね。

中村雅之Dr: はい。
それらの症状が2週間以上続くと、うつ病と診断されます。

二見いすず: わかりました。
いつもの自分とはなんとなく違うと感じながらも、自分がうつ病であることを自覚するのは難しいのではないでしょうか。

中村雅之Dr: はい。
実はうつ病の初診で精神科や心療内科を訪れる人は約1割です。
患者さんの多くは精神的な症状よりも眠れない、食欲がわかないといった身体症状を訴えて、内科などを受診されます。

二見いすず: そうなんですね。

中村雅之Dr: 肩こりや頭痛といった不定愁訴の裏にうつ病が潜んでいる場合もありますので、身体症状に加えて落ち込む気持ちがあったら、ぜひ、かかりつけ医に相談していただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
他にも気をつけておきたい症状はありますか。

中村雅之Dr: 典型的なうつ病では、特に理由もなく自分を過剰に責めたり、過去の些細なことを思い出しては悩むといった症状が見られます。
さらに症状が進むと、「自分はこの世からいなくなった方がいい」と思い込み、「死にたい」とさえ考えるようになります。

二見いすず: 症状が進むと、死にたいという気持ちになるということで、非常に深刻な状態ですね。

中村雅之Dr: うつ病は誰もがかかりうる病気ですが、治療が遅れれば、最悪は死に至るケースもあります。
そういった悲しい出来事を未然に防ぐためにも、早期発見・早期治療が大切なのです。

二見いすず: 早期発見、早期治療のためには、ご家族や友人、職場の仲間などが病気のサインに気付いてあげることも大切ですね。

中村雅之Dr: はい。
その通りです。
ご本人はもちろんですが、周囲のご家族や友人の方々も「様子がおかしいな」と思ったら注意深く見守り、症状に心当たりがあったら、ぜひ医療機関に行くようにすすめていただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
来週はうつ病の治療について詳しくお話を伺ってまいります。
鹿児島県医師会 中村雅之(なかむらまさゆき)ドクターでした。
ありがとうございました。

中村雅之Dr: ありがとうございました。