2015.1.17 第611回放送分 『うつ病』 ゲスト:中村雅之ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「うつ病」についてお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の中村雅之(なかむらまさゆき)ドクターです。
中村さん、今週もよろしくお願いいたします。

中村雅之Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週までのお話でうつ病はどなたにでも起こりうる病気であると同時に、自殺の原因にもなりうる深刻な病気でもあるので、早期発見・早期治療が大切だということでした。

中村雅之Dr: はい。
その通りです。

二見いすず: それでは、うつ病はどのような治療が行われるのでしょうか。

中村雅之Dr: はい。
うつ病と診断されたら、まずは十分な休養をとることが大切です。
思い切って数週間、会社や学校を休むことをおすすめすることもあります。
薬物療法としては抗うつ薬を処方して治療を行います。

二見いすず: 十分な休養と抗うつ薬による治療を行うということですね。
薬はどれくらいの期間、飲むのでしょうか。

中村雅之Dr: 抗うつ薬は即効性のある薬ではありませんので、1日2日飲んだだけでは効果が出ません。
最低でも2〜3週間は継続して薬を服用していただきます。

二見いすず: お薬が効いてきて、症状が回復するまでには少し時間がかかるということなんですね。

中村雅之Dr: はい。
その通りです。
しばらくすると「症状がよくなってきた」と薬を飲む回数を減らしたり、飲むこと自体をやめてしまう患者さんもいますが、こうした行為はうつ病を悪化させてしまうおそれがあるため、勝手な自己判断は禁物です。

二見いすず: なるほど。
自分勝手な判断で薬を中断するのは非常に危険なことなんですね。

中村雅之Dr: はい。
薬の種類によっては、吐き気、便秘、喉がかわくなどの副作用が出ることもありますので、症状が気になる方は、主治医にご相談ください。

二見いすず: 薬を飲んで気になることがあるときは主治医にご相談をということですね。
他にも気をつけておきたいことはありますか。

中村雅之Dr: はい。
実は重症のうつ病の場合は、薬が効いてきて具合が良くなってくる時期が最も危ないといわれています。

二見いすず: それはどういうことでしょうか。

中村雅之Dr: うつ病は最も重症の時には死を考えて行動することすらも出来なくなります。
薬が効き、少し回復してくると「死にたい」という気持ちとともに行動することができるようになり、自殺を図る可能性がでてきます。

二見いすず: そうなんですね。
少し回復したからといって、油断は禁物だということですね。

中村雅之Dr: はい。
その通りです。
医療者はもちろん、家族や周囲の方々もこの時期は特に注意深く患者さんを見守っていただきたいと思います。

二見いすず: はい。
よく分かりました。
来週もうつ病についてお話を伺います。
鹿児島県医師会 中村雅之(なかむらまさゆき)ドクターでした。
ありがとうございました。

中村雅之Dr: ありがとうございました。