2015.1.24 第612回放送分 『うつ病』 ゲスト:中村雅之ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「うつ病」についてお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の中村雅之(なかむらまさゆき)ドクターです。
中村さん、今週もよろしくお願いいたします。

中村雅之Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週はうつ病の治療について、十分な休養をとることと薬を処方された期間、飲み続けることが大切だとお伺いいたしました。

中村雅之Dr: はい。
うつ病は治療中の症状がよくなったり、悪化したりを繰り返しやすい病気です。
医師に相談しないで抗うつ薬をやめてしまうと、症状がぶり返したり、急激な中断による症状として激しいめまいや不安などの症状があらわれる場合もあります。

二見いすず: 薬を勝手にやめてしまうと、薬の中断による症状が出てきたり、症状が悪化したり、長引いてしまう場合があるということですね。

中村雅之Dr: はい。
その通りです。
治療期間をより短くするためにも患者さんご自身がすすんでお薬を飲み続けることが重要です。

二見いすず: うつ病の治療期間はどのぐらいになるのでしょうか。

中村雅之Dr: 症状が完治してからも、再発を防ぐため6ヶ月から1年は薬を飲み続けていただきます。
医師の指示通りに正しく服用していれば、依存を起こすこともほとんどありませんので、あせらずに、安心して、治療に取り組んでください。

二見いすず: よく分かりました。
診察を受ける際に、心掛けておきたいことはありますか?

中村雅之Dr: いまは抑うつ状態にあったとしても、これまでに異常に気分が高揚する躁状態を経験された方は、薬の種類や治療法が異なるため、ぜひ医師に申し出ていただきたいと思います。

二見いすず: はい。
これまでに気分が高揚していた時期のある方は、自分から医師に申し出ることが大切だということですね。

中村雅之Dr: はい。
その通りです。
医師は診察の際、診断・治療のため、患者さんにさまざまな角度から質問します。
症状を隠したり、話すのをためらってしまうと、正しい診断が出来ないこともありますので、ぜひ率直に答えていただきたいですね。

二見いすず: そうですね。
そして患者さんご自身が話せない状態にある時には、ご家族がサポートしてあげることも必要かもしれません。

中村雅之Dr: はい。
うつ病の診察では患者さんから話を聞くだけでは情報不足におちいることがあります。
医師から治療方針を説明しても、患者さんご自身が理解・納得できない状況にある場合もあります。
こんな時こそ、ご家族の力が必要です。

二見いすず: 診察は家族同伴がいいのでしょうね。

中村雅之Dr: ご家族からの情報提供は、治療を進めるうえでとても貴重なものです。
ぜひ患者さんの受診時には、ご家族にも付き添っていただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
来週もうつ病についてお話を伺います。
鹿児島県医師会 中村雅之(なかむらまさゆき)ドクターでした。
ありがとうございました。

中村雅之Dr: ありがとうございました。