2015.2.14 第615回放送分 『鼻・喉・首のがん』 ゲスト:花牟禮 豊ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「鼻・喉・首のがん」について鹿児島県医師会の花牟禮豊(はなむれゆたか)ドクターにお話を伺ってまいります。
花牟禮さん、今週もよろしくお願いいたします。

花牟禮 豊Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は鼻のがんについてお伺いいたしましたが、今週は喉のがんについてお話いただけるということですね。

花牟禮 豊Dr: はい。
喉は、咽頭と喉頭から成り、喉のがんにも、咽頭がんと喉頭がんがあります。

二見いすず: それではまず、咽頭がんについてお話いただけますか。

花牟禮 豊Dr: はい。
咽頭とは、鼻の奥から食道に至るまでの食べ物や空気の通り道です。
咽頭は、上・中・下の3つの部位に分けられ、各部位にがんができると、それぞれ上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんという診断になります。

二見いすず: 咽頭がんには、上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんの3つの種類があるということですね。
それぞれどのような特徴や症状があるのでしょうか。

花牟禮 豊Dr: まず、上咽頭がんは、日本では年間に10万人中0.3人が発症するとされ、男性の発症は女性の倍、あるいはそれ以上とされています。
症状としては、耳の閉塞感や鼻づまりが最初に見られることが多く、頸部のリンパ節転移を生じやすいという特徴があります。

二見いすず: わかりました。
中咽頭がんはいかがでしょうか。

花牟禮 豊Dr: 中咽頭がんは、男性が約80%と圧倒的に男性に多く、飲酒や喫煙などの慢性的な刺激が大きな原因とされています。
初期症状としては、のどの異物感や違和感などがあります。

二見いすず: 飲酒や喫煙などの刺激が中咽頭がんの原因となるのですね。
では、下咽頭がんはいかがでしょうか。

花牟禮 豊Dr: はい。
下咽頭がんの多くは飲酒量の多い中年以降の男性にみられます。
初期症状としては、のどの痛みや食べ物のつかえなどがあります。

二見いすず: やはり、飲酒や喫煙のリスクは大きいのですね。

花牟禮 豊Dr: はい。
そのとおりです。
飲酒と喫煙を組み合わせると、すべてのがんの発生率が2倍になるといわれています。
ご自身の健康とご家族の生活を守るためにも、禁煙と節酒を心掛けていただきたいですね。

二見いすず: 禁煙と節酒ですね。
ほかにも気をつけておきたいことはありますでしょうか。

花牟禮 豊Dr: はい。
実は中咽頭がんの中には、子宮頸がんの原因として知られているヒトパピローマウイルスが関与しているものがあることも最近わかってきました。

二見いすず: 子宮頸がんの原因として知られるヒトパピローマウイルスが関連している中咽頭がんもあるということですね。

花牟禮 豊Dr: はい。
そのとおりです。
今のところ日本では、男性がワクチンを接種することはできませんが、ウイルスの感染や蔓延を防ぐためにも女性の方々にはワクチンの接種を検討していただければと思います。

二見いすず: よく分かりました。
来週も引き続き、喉のがんについてうかがってまいります。
お話は鹿児島県医師会の花牟禮豊(はなむれゆたか)ドクターでした。
花牟禮さん、ありがとうございました。

花牟禮 豊Dr: ありがとうございました。