2015.2.28 第617回放送分 『鼻・喉・首のがん』 ゲスト:花牟禮 豊ドクター


二見いすず: ドクタートークは、「鼻・喉・首のがん」について鹿児島県医師会の花牟禮豊(はなむれゆたか)ドクターにお話を伺っております。
花牟禮さん、今週もよろしくお願いいたします。

花牟禮 豊Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: これまで3週にわたりまして鼻、喉のがんについてお話を伺ってまいりましたが、今週は首のがんについてお願いいたします。

花牟禮 豊Dr: はい。
首のがんで代表的なのが「甲状腺がん」です。
甲状腺とは首の前方、のどぼとけのやや下にあり、全身の新陳代謝や成長の促進にかかわる甲状腺ホルモンを分泌しています。

二見いすず: 甲状腺の病気は男性より女性に多くみられると聞きます。

花牟禮 豊Dr: はい。
おっしゃるとおりです。
甲状腺の病気は男性より女性に多く、甲状腺がんは女性が男性の約3.5倍といわれています。

二見いすず: 甲状腺がんとはどのような病気なのでしょうか。

花牟禮 豊Dr: 甲状腺がんは、組織の特徴により数種類に分類されますが、最も多いのが乳頭がんです。
乳頭がんは甲状腺がんの約9割を占めます。
40代から50代の女性に多く、極めてゆっくり進行するのが特徴で、きちんと手術を受ければ完治する可能性の高いがんです。

二見いすず: 甲状腺がんもやはり早期発見・早期治療が大切だということですが、初期症状はどのようなものなのでしょうか。

花牟禮 豊Dr: 甲状腺がんの代表的な症状は、首のしこりです。
進行すると、しこりそのものも大きくなりますが、声のかすれや喉の痛み、違和感などが出ることもあります。

二見いすず: 首にしこりがあれば、甲状腺がんである可能性が高いということでしょうか。

花牟禮 豊Dr: いいえ、首にしこりがあるからといって、必ずしもがんであるとは限りません。
しかし、触診だけでは腫瘍が良性か悪性かの判断ができないことが多いため、専門医のもとで、画像検査、血液検査、病理検査などを受けることが大事です。

二見いすず: 良性か悪性かをしっかりと見極めるためにも首にしこりがあれば、早めに専門医を受診すべきですね。

花牟禮 豊Dr: はい。
その通りです。

二見いすず: 万が一、甲状腺がんが見つかった場合は、どのような治療が行われるのでしょうか。

花牟禮 豊Dr: 甲状腺がんに対する治療法は、手術による腫瘍の切除が基本となります。
その他に、放射線療法、ホルモン療法、抗がん剤治療などがありますが、これらの治療は補助療法として使用されます。

二見いすず: 甲状腺がんの治療は手術が基本だということですね。

花牟禮 豊Dr: はい、その通りです。
先ほどもお話ししましたが、甲状腺がんは早期に手術を受ければ完治する可能性の高いがんです。
医療者とうまくコミュニケーションをとりながら、十分に納得した上で治療に取り組んでいただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
4週にわたり、「鼻・喉・首のがん」について貴重なお話をうかがいました。
鹿児島県医師会の花牟禮豊(はなむれゆたか)ドクターでした。
ありがとうございました。

花牟禮 豊Dr: ありがとうございました。