2015.9.5 第644回放送分 『小児外科』 ゲスト:家入 里志ドクター



二見いすず: 9月になりました。
今月のドクタートークは「小児外科」について、鹿児島県医師会の家入里志(いえいりさとし)ドクターにお話を伺ってまいります。
家入さん、よろしくお願いいたします。

家入里志Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今月のテーマの小児外科にですが、どのような診療科であるのか、詳しく教えていただけますか?

家入里志Dr: はい。
小児外科は0歳から16歳未満のお子さんを対象として、手術を必要とするような外科的な疾患を治療する診療科になります。
子どもは大人に比べて体が非常に小さく、特に新生児・赤ちゃんでは非常に繊細な手術のテクニックが必要です。
また、子どもの体は成長に伴い、機能がどんどん変化していきますので、もちろん身体的なケアも必要とされますが、精神的・心理的にも発育の途上にあり、手術や治療においては、きめ細やかなケアが必要とされます。
このような子どもについての専門的知識を持った外科医が小児外科医として治療にあたっているのが小児外科という診療科です。

二見いすず: なるほど。0歳から16歳までの外科的な治療を行うのが小児外科ですね。
成人の外科と比べて、対象疾患などに違いがあるのでしょうか。

家入里志Dr: はい。
高齢化社会となり、日本人の2人に1人ががんになる現代、成人の外科はがんの治療が主体になっています。
小児外科の場合は小児がんの治療も行いますが、生まれつきの病気だったり、機能的な疾患の治療が主になります。

二見いすず: 具体的にどんな病気を治療されるのですか?

家入里志Dr: 一般的な病気としては虫垂炎や鼠径ヘルニアなどの日常疾患から、新生児の先天性疾患、5000人あるいは1万人に1人という非常に珍しい難病まで、対象疾患は非常に幅広く、呼吸器、消化器、泌尿生殖器など、脳・心臓・骨以外の外科的な病気や腫瘍のほとんどを治療します。
また、病気だけでなく、例えば交通事故による内臓の損傷や異物誤飲などの治療にもあたっています。

二見いすず: 小児外科では非常に幅広い疾患に対応しているのですね。
ところで、県内では小児外科はどこに設置されているのでしょうか。

家入里志Dr: はい。
大きな施設としては鹿児島大学病院と鹿児島市立病院に独立した診療科として設置されております。

二見いすず: 子どもが急病になった場合は、小児科と小児外科、どちらを受診したらいいのでしょうか。

家入里志Dr: そうですね。
判断に迷った場合は、かかりつけの小児科にまずはご相談されてください。
専門的な検査や手術が必要な場合は、小児科医が小児外科の先生を紹介してくれると思います。

二見いすず: よく分かりました。
来週も小児外科についてお話を詳しく伺ってまいります。
お話は、鹿児島県医師会の家入里志(いえいりさとし)ドクターでした。
どうもありがとうございました。

家入里志Dr: ありがとうございました。