2015.10.10 第649回放送分 『眼の病気』 ゲスト:鵜木 一彦ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、10月10日の目の愛護デーにちなみ、「眼の病気」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の鵜木一彦(うのきかずひこ)ドクターです。
鵜木さん、今週もよろしくお願いいたします。

鵜木一彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週は、緑内障と目薬についてお話をお伺いしたいと思います。
まず、緑内障とはどのような病気なのでしょうか。

鵜木一彦Dr: はい。
緑内障は視神経や網膜に障害が起こり、眼底にも異常が見られる病気で、視野が狭くなっていきます。
進行すると失明する危険性があり、日本では失明原因の第一位になっています。

二見いすず: そうですか。
日本人の失明原因の第一位とは、本当に油断ならない病気ですね。
緑内障になると、どのような症状があらわれるのでしょうか。

鵜木一彦Dr: 緑内障には、急性の緑内障と、慢性の緑内障があります。
まず、急性緑内障は、急激に眼圧が上昇して、頭痛や吐き気、眼の痛み、充血など、激しい症状が見られます。
一般に遠視を持っている方に多くみられます。

二見いすず: なるほど。
慢性緑内障はいかがでしょうか。

鵜木一彦Dr: 一方、慢性緑内障は自覚症状を感じにくい病気です。
異常に気付いたときはかなり進行していることも少なくありません。
しかし、一度失われた視野は元に戻すことはできないので、早期に発見して、早いうちから治療を開始して病気の進行を遅らせることがとても重要になります。
血縁者に緑内障の方がいらっしゃる場合や近視がかなり強い方などは、定期的に検診を受けることをおすすめします。
特に眼底検査が必要です。

二見いすず: 慢性の緑内障の発見には、眼底検査が欠かせないということですね。
それでは、緑内障と診断されたら、どのような治療を行うのでしょうか。

鵜木一彦Dr: 現在、残念ながらいったん損なわれた視神経は回復できず、視野の回復もできません。
そのため緑内障の治療は、病気の進行を遅らせることが目的で、その手段としては眼圧を下げる治療が行われます。
眼圧とは目の硬さのことで目の硬さを和らげる治療をします。
多くの場合はお薬から治療を開始し、緑内障のタイプや進行具合、眼圧の高さに応じた目薬を用いて、眼圧をコントロールします。

二見いすず: 緑内障の治療にも目薬が用いられるということですね。
点眼の際の注意などはありますか?

鵜木一彦Dr: 緑内障というのは慢性に経過するので、自覚症状のない方は点眼薬の使用を忘れがちになったり、通院をやめてしまう場合が見受けられます。
病気は気付かないうちに進行していきますので、処方された目薬を正しく使い、眼圧をコントロールすることが大切です。
また、緑内障の目薬には、充血、しみる等の刺激症状や、まぶたの縁が黒くなる、まつ毛が伸びる、などの副作用が見られることもあります。
気になる方は担当医にご相談ください。

二見いすず: お話は、鹿児島県医師会の鵜木一彦(うのきかずひこ)ドクターでした。
どうもありがとうございました。

鵜木一彦Dr: ありがとうございました。