2015.12.5 第657回放送分 『中耳炎』 ゲスト:牛飼 雅人ドクター



二見いすず: 12月になりました。
今月のドクタートークは、「中耳炎」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の牛飼雅人(うしかいまさと)ドクターです。
牛飼さん、どうぞよろしくお願いいたします。

牛飼雅人Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: さて、中耳炎と言いますと小さなお子さんがかかる病気だというイメージがあります。
あらためまして、中耳炎とはどのような病気なのか教えてください。

牛飼雅人Dr: まず中耳炎と言いますと、プールやお風呂などで耳に水が入って起こる病気だと思われている方がいらっしゃいますが、実はそれは間違いです。

二見いすず: そうですか。
中耳炎は耳に水が入ることが原因ではないということなんですね。

牛飼雅人Dr: はい。
中耳炎とは、耳の鼓膜の奥の「中耳」という空洞に細菌が入りこみ、炎症が起きたり、滲出液(しんしゅつえき)という水がたまったりする病気です。
中耳は耳管(じかん)という管で鼻の出口とつながっていまして、風邪をひくと細菌やウイルスがこの耳管を通って中耳に入り込み、中耳炎が起こります。
特に成長過程にある乳幼児は、大人に比べて耳管が短く水平に近いため、鼻や喉の細菌が耳に入りやすく、中耳炎にかかりやすいのです。

二見いすず: そうですか。
小さなお子さんは耳管が短く水平に近いため、中耳炎にかかりやすいということですね。
何歳ぐらいから発症するのでしょうか。

牛飼雅人Dr: お母さんの母乳の免疫が切れる生後6ヵ月ぐらいから中耳炎にかかるようになります。
最も多い中耳炎が急性中耳炎です。
急性中耳炎は生後6ヵ月から6歳ぐらいのお子さんに多いのですが、特に3歳未満のお子さんがよくかかります。

二見いすず: 急性中耳炎とはどのような病気なのでしょうか。

牛飼雅人Dr: 急性中耳炎は、鼻・喉についた細菌やウイルスが耳管を通って中耳に入り、炎症を起こします。
風邪をひいた後に症状があらわれることも多く、急性中耳炎の多くが風邪に合併して起こります。

二見いすず: 小さなお子さんが風邪をひくと、急性中耳炎になりやすいということですね。

牛飼雅人Dr: はい。
そうですね。
寒くなり、風邪やインフルエンザが流行る冬は、小さなお子さんの急性中耳炎が増えます。

二見いすず: わかりました。
気をつけておきたい症状はありますか。

牛飼雅人Dr: 風邪をひいて鼻水が多い時には特に注意が必要です。
鼻をすすると細菌やウイルスが中耳に侵入してしまう可能性がありますので、鼻水はこまめにとってあげたり、かませたりしましょう。

二見いすず: よくわかりました。
寒くなり、風邪やインフルエンザが流行る冬は、小さなお子さんの中耳炎が増えるそうです。
来週も引き続き急性中耳炎について詳しく伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の牛飼雅人(うしかいまさと)ドクターでした。
牛飼さん、ありがとうございました。

牛飼雅人Dr: ありがとうございました。